第1回目岩手大学動物病院移動診療車
「わんにゃんレスキュー号」大船渡市派遣記録

第1回「わんにゃんレスキュー号」派遣記録

2011年4月1日(金曜日)晴れ
第1回「わんにゃんレスキュー号」派遣記録8時から11時半
盛岡市から大船渡市まで移動。大船渡地区の海岸線に近づくと、倒壊した家々やがれきの山が見え、スタッフ一同愕然となり言葉を失いました。
倒壊を免れた家と破壊された家が同じ地域でも混在しており、予想できない津波の動きの怖さを思い知らされました。


第1回「わんにゃんレスキュー号」派遣記録

11時半
大船渡市合同庁舎の駐車場には、すでに数人の飼い主さんと伴侶動物が寒風の中待ってくれていました。
大船渡保健所の担当獣医師の案内により、合同庁舎横の駐車スペースに移動し、わんにゃんレスキュー号の外に簡易受付と診療スペースを設置。
現在、大船渡地区の唯一の動物病院が被災し、診療不可能となっているとのこと。そのため、これまで定期的に通院していた動物や、新たに病気に罹患した動物のための診療施設がなく、非常に困っていたとのことでした。今日の診療は、今朝の地元の新聞やテレビでのテロップを見て知り駆けつけたそうです。(新聞は4/1本日から再開したとのこと)

第1回「わんにゃんレスキュー号」派遣記録12時〜14時40分
続々と診療希望者が集合して、いつの間にか受付前には長蛇の列が出来ていました。事前の申し込みでは合同庁舎での診療は2件のみであったため、反響の大きさに驚くとともに診療の需要を改めて思い知ることとなりました。
地震によって音に敏感になり怯えるようになったワンちゃん、愛する人を津波で失い、残されたワンちゃんを心の支えにしている飼い主さん、ようやく調子がよくなり始めていたのに 地震後に治療が続けられなかったために病気が再発・悪化してしまったワンちゃんやニャンコ達。いまだ、停電や断水が続く地区もあり、肌身で感じる、津波が残した傷跡の大きさは報道で知る以上のものでした。一日でも早い復興を切に願うとともに、ずっと考えていました。今私たちにできることはなんだろう、と。

第1回「わんにゃんレスキュー号」派遣記録14時00分〜
診療希望者がとても多かったため、診療時間を延長して対応しました。しかし、次の診察場所への移動の予定もあったことから、事情をご説明した上で、人数を制限せざるを得ない状況でした。
2時間半の大船渡市合同庁舎での診療頭数は、次の通り。
 犬:22頭
 猫:5頭
 ハムスター:1頭
 相談とペットフード希望者:犬2頭、猫2頭
         合計32頭


寒い中、屋外診療所でお待ちいただいた飼い主のみなさん、ありがとうございました。
(今後は、病気の動物達と飼い主さんへの配慮した診療場所(屋内など)の検討を行いたいと考えております)

第1回「わんにゃんレスキュー号」派遣記録14時40分〜
大船渡中学校避難所へと出発。
第1回「わんにゃんレスキュー号」派遣記録15時15分〜16時50分
大船渡中学校避難所へ到着。数人の飼い主さんと伴侶動物がわんにゃんレスキュー号を待ってくれていました。 避難所での生活ではほかの人に迷惑を掛けられないと、車でわんちゃんと暮している飼い主さんや遠く離れた被害を受けた自宅にニャンコちゃんを置いて世話をしに30分も毎日歩いて通っている飼い主さんがいらっしゃいました。また、愛する人の忘れ形見だといって、大切に育てたいとワンちゃんをお連れになった飼い主さんもいらっしゃいました。また、津波により受傷し、大腿骨の開放骨折(折れた大腿骨が体の外に突き出ている状態)が20日間もそのままであったニャンコちゃんは、本学動物病院へ搬送・手術を行うことになりました。
大船渡中学校での診療頭数は、次の通り。
 犬:4頭
 猫:5頭
    合計9頭(うち1頭は入院のため搬送)


22時30分
岩手大学動物病院に到着しました。薬品の整理、本日の診療で採取した血液の検査を実施しました。搬送されたニャンコちゃんも無事、入院舎へ移されました。
23時45分
本日分の業務終了です。    



   ※今後も「わんにゃんレスキュー号」は被災地への出動を予定しています。
   ※予定が決まり次第、本ホームページにてお知らせいたします。


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