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地域マネジメント学講座とは?

研究内容  教育内容  卒業後の進路

 地域マネジメント学講座は、農山村に存在する地域資源の利用と保全に関する問題の解明と、その解決のための施策や政策立案についての教育研究を行います。

 本講座の教育研究の対象としては、例えば、農地、森林などの国土や、水資源、地域住民の人的資源やそこではぐくまれた歴史や文化、さらには野生動植物などの地域資源の持続的な利用をいかにして実現していくかという課題や、開発などの人間の活動によりダメージを受けた環境の修復のあり方や、再生可能資源のリサイクルをいかにして確立していくかなどの課題があります。

 地域マネジメント学講座では、これらの地域資源を総合的に管理し、持続可能な地域社会を実現するため自ら行動できるような人材育成を行います。

  

地域マネジメント学講座では、こんな研究をします。

写真1.地域振興のあり方と政策

2.住民参加型地域計画の策定手法

3.農村環境の整備・保全と政策

4.農山村における観光・レクリエーション開発

5.海外農村開発の制度と実態

写真6.農業法人の管理手法の開発

7.ランドスケープ構造の変遷様式

8.地域資源の持続的管理・計画

9.森林に関する諸制度と政策

10.地域のおけるフードシステムの存立条件

 地域マネジメント学講座においては、農山村に存在する地域資源の利用と保全に関する問題の解明と、その解決のための施策や政策立案についての教育研究が行われる。
 地域資源は、管理が適切に行われないと、将来にわたって持続的な利用は困難になる。地球環境問題との関連で、持続可能性(sustainability)が強く問われる中で、地域資源の持続的な管理とそれを可能にする計画の立案に関する研究や、農村地帯の生活関連施設も含めての農村環境整備の実態や政策対応についての研究が求められている。(テーマ3、8)
 わが国の国土の多くは森林であるが、森林の利用、保全、管理については、各種の法律制度や国や地方自治体による政策が重要な役割を果たしてきた。従って、わが国の国土資源の適切な維持管理の手法を解明するためには、特に森林に関する制度や政策の研究が必要となる。(テーマ9)また、農林業の持つ公益的機能のうち、景観(ランドスケープ)の価値の評価が高まってきている。生態学的な視点も加えながら、ランドスケープを形成する諸要素について研究することにより、ランドスケープの形成構造を解明する研究も求められているところである。(テーマ7)
 地域資源の管理の担い手は、従来は地域社会に住む住民すべてであったが、高齢化が進み農林業が弱体化する中で、新しい地域振興のあり方が各地で模索されている。内発的発展論の視点からは、そこに住む住民自らが地域計画の策定に参加していくことが求められる一方、地域農業の担い手として農業法人の活動が注目される機会も多い。これらの地域振興のあり方、担い手の研究も求められている。(テーマ1、2、6)
写真 地域資源の利用の方法としては、従来からの農林業のみならず、農山村の空間や歴史文化的な地域資源も利活用しての観光レクレーション産業の発展や、地域資源を活かした新しい食品の開発や販売方法の開発も期待されるところである。既存の学問体系では適切に位置づけられてこなかったこれらの分野の研究も、地域マネジメント学の一部として位置づけられ、研究の成果が期待されている。(テーマ4、10)
 なお、以上の各研究テーマは国内の地域資源や地域社会に固有の問題ではない。先進国、発展途上国、問題の表象は異なるものの、問題の多くはいずれの国々でも共通する側面を持っている。また、諸外国の制度や政策を学ぶことでわが国の地域マネジメントに還元できる事柄も多いと期待される。その点で海外の農村開発や環境に係わる制度や政策の研究も必要である。(テーマ5)

  

地域マネジメント学講座では、こんなことを学べます。

 地域マネジメント学講座は、農山村に存在する地域資源の利用と保全に関する問題の解明と、その解決のための施策や政策立案についての教育研究を行います。

写真 地域資源は地域住民が従事している農林業などの産業目的の活動のみならず、豊かな国土など、環境資源を保全する機能も有しています。今日、環境問題は地球規模での問題から住民の身近な生活レベルでの問題まで、広範な領域で問題となっていますが、農山村地域の環境問題の解明とその解決が求められているのです。本講座では、これらの環境問題の側面について教育するために、農林環境経済学、環境政策論、環境保護思想史、環境教育論などを開講します。

 農山村に存在する地域資源が最も利用されるのは、農林業の場においてであります。従って農業や林業の実態や課題、あるいは政策体系について教育する必要があります。このため、アグリビジネス論、農業経営論、山村経済論、森林政策論などを開講します。

 農山村の地域資源は観光レクレーション産業によって利用されるほか、豊かな環境を国民一般に提供する働きも持っています。地域資源のこれらの側面については、観光レクレーション論、地域景観保全論において教育されます。

 また、生態系と調和した形で保全されてきた農山村地域の景観自体が国民にとって貴重な財産であるという認識も高まってきています。ランドスケープエコロジーでは、生態系との関わりで景観の構造と機能を解明するとともに、望ましい景観をデザインしていく手法を教育します。

 環境的側面と産業的な利用の側面と、地域資源の利用と保全をめぐっては、調整が必要になる局面も多いのです。秩序ある地域資源の利用と保全を図っていくために、地域計画学、地域開発政策論で、地域計画策定の理念と手法や、これまでのわが国の地域開発政策の成果と今後への課題について教育します。

写真 地域資源や地域社会のマネジメントに当たっては、地方自治体の機能が重要な役割を果たすほか、近年では各地で地域おこしの様々な試みがなされています。それらについては、農山村自治体経営論、地域おこし論で教育します。また、各種の取り組みをするために、地域住民が意見調整をして住民全体の意思を固めていく過程が重要になりますが、この点については、合意形成論において講義することになります。

 地域に係わる以上のような問題は、日本国内のみならず世界各地で見られる。世界的規模でこれらの課題を検討するために、海外農林開発論、開発経済学が開講されます。さらに、発展途上国での地域に関する活動の担い手として期待が高まっているNPOについては、NPO論の中で、国内の地域資源管理の担い手として活動しているNPOと共に、講義します。

 以上のような地域マネジメント学講座の教育の質を高めるために、入門的な科目や、フィールドでの実践を通しての教育を意図した科目を開講します。地域マネジメント学概論、地域マネジメント学基礎T、U、地域マネジメント学演習T、U、農場実習、演習林実習、インターンシップ、農山村調査実習などの科目がそれにあたります。また、卒業研究も必修として課すことで、学生の問題意識に基づいた主体的な研究活動を体験させることを重視しています。

 なお、地域マネジメント学講座の教育に資する科目を中心に、講座外科目を配置しておりますので、各人の希望に応じて幅広い学習をすることが出来ます。

  

卒業後の進路としてはこのようなところが予想されます。

・国家公務員(農林水産省、環境省、国土交通省、林野庁、など)

・地方公務員(都道府県および市町村)

・政府系機関(国際協力事業団(JICA)、緑資源機構、農林漁業金融公庫など)

・地域計画を専門とするコンサルタント会社や第3セクター

・リゾート開発会社

・造園や緑地整備等の民間緑化会社

・協同組合(農協、森林組合、経済連、生協等)

・その他

・大学院進学