農学部/ 概要 |
■農学は21世紀の表舞台に立つ![]() |
00.5.15. |
■岩手大学農学部農学部の沿革 |
![]() 戦後、新制大学のもとで昭和24年(1949年)岩手大学が誕生し、工学部、教育学部とともに新生農学部として6学科体制でスタートしました。平成3年(1991年)に、それまでの7学科(農学、農芸化学、林学、獣医学、畜産学、農業土木学、農業機械学[計44講座])のうち、6年制の獣医学科を除く6学科を改組し、3学科(農林生産学、応用生物学、農業生産環境工学)に再編し、獣医学科を含めて4学科体制[27講座]としました。さらに本年度(2000年)から3学科体制(農業生命科学、農林環境科学、獣医学、[計11大講座])に改組し、新たな教育研究に取り組んでおります。 |
■教育指導体制の現状 |
本学部、大学院及び附属施設等に合せて約110名の教員と約80名の職員が勤務しており、約1,200名に及ぶ学部・大学院の学生の教育研究に係わっております。学生諸君には、1年次〜2年次に幅広く深い教養と総合的な判断力を培い、豊かな人間性を育む全学共通教育と各専門分野に入るための農学部専門基礎教育が並行して行われます。2年次から各講座に所属して本格的な専門教育科目を学修します。さらに3年次後半からは高度な専門教育を学修するとともに大学教育の核心部である卒業研究に取り組みます。本学部は1学年の学生定員が210名ですので、卒業研究は教員1人あたり小人数の学生を指導する個人教育となります。さらに積極的なチャレンジとして、専門分野において高度な研究能力や専門技術を修得しようとする学生は、大学院修士課程(標準2年間)および後期博士課程(標準3年間)へ進学することが出来ます。 なお、本学部の附属施設として、農場・牧場、演習林、家畜病院、寒冷バイオシステム研究センター等があり、教育研究の実践の場や基礎から応用分野に至る研究の場として「協力講座」と位置付けており、学部教育を担当しております。 |
■新しい農学教育への期待 |
今から約1万年前に、人類は狩猟・漁労生活から新石器時代に入り鍬(くわ)と土掘り棒による農耕を開始して、作物の栽培や家畜を飼養して衣食住に必要な物質を生産してきました。農耕社会は森林や原野、湿地等を切り開き農地とし、自然環境や風土に適合する種々の農業を見出してきました。つまり、農林畜産物の生産と自然環境の破壊や保全は、永年にわたって表裏一体の関係として農業が営まれてきたわけです。このような有史以前から継続発展してきた農業の蓄積結合体である農学には、地球自然と調和を図りながら生物生産を永続的に発展させる使命があり、そのための総合科学技術と言えます。今や農学は衣食住に係わる科学技術分野に留まることなく、著しく複雑化してきた社会においては、人類の生存と幸福を目指して地球規模での食糧問題や環境問題等の解決に向けて、広範な自然科学技術と社会科学分野から構成されている農学の特質が期待されております。 本学部はこの度の改組において、生命科学、環境科学、動物医学を3本柱とした新しい農学教育体制を構築し、間近に迫った21世紀に積極的に対応しているところです。 |
■21世紀に向けて |
人類が21世紀に直面する課題として、現在60億人の人口が100億人に急増する場合の食糧供給問題、地球温暖化や大気汚染に現われている地球環境問題、膨大な電力消費や自動車の急増と限りある化石燃料に見られるエネルギー問題、さらに生ゴミや都市ゴミなどの膨張する廃棄物処理問題が挙げられます。これらの諸課題は地球規模での解決が求めらておりますが、持続型食糧生産と調和した自然環境保全の追求、森林資源等に示される再生可能なエネルギーの生産、さらに堆肥化やバイオマスの有効利用などの生物系廃棄物の処理技術等、これまで農業・農学分野が蓄積してきた総合科学技術が、今まさに表舞台の主役になろうとしております。言い換えれば、来る21世紀には、農学が果たすべき役割は非常に大きなものがあります。 若者の皆さん! これまで宮沢賢治をはじめとして、1万7千名余りの卒業生を社会に送り出し、各方面で活躍している先輩をもつ岩手大学農学部に入学し、私たち教職員と在学生と一緒になって、21世紀のあるべき姿の農業を夢見て、農学分野に取り組んで欲しいのです。必ずや皆さんの青春の炎が燃え上がる表舞台があると確信しております。 |
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