リサイクルエネルギー学

担当教官(所属、所在)
西山喜雄(農林環境科学科リサイクル生物生産工学講座、1号館3階304号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 リサイクル生物生産工学講座3年次
講座科目
選択
前期2単位

授業の目標
 リサイクルエネルギーとは,「再生可能なエネルギー」であり,自然循環系を成すエネルギーである。生物生産における光合成は,二酸化炭素と太陽エネルギーから化学エネルギーに合成変換する過程であり,地球環境にもっともやさしい生産活動である。古来農業は,太陽エネルギーをはじめ,小水力,風力,畜力などのリサイクルエネルギーを使って生物生産を行ってきた。本講義では,これらのエネルギー形態を理解させるとともに,物質およびエネルギーの循環体系としてとらえさせることを目標とする。

概要と計画
[概要]
・ エネルギーは熱であり光であり,電気であり,仕事であり,生物体である。これらは共通である(熱力学の第1法則)が,その働きは異なる(第2法則)。これらのエネルギーについての物理法則を感覚的にもとらえさせ,エンタルピとエントロピの概念を理解させる(一部熱工学の復習)。
・ リサイクルエネルギーとは,自然循環系を成す再生可能なエネルギーで,自然エネルギーや生物体エネルギーなどである。地球環境を維持したリサイクルエネルギーの生産と消費について学ぶ。
・ 光合成とエネルギー生成という生化学反応によるエネルギー生成・消費過程を理解する。
 太陽エネルギーおよび太陽エネルギーから変換した風力,水力,潮汐などの運動エネルギーの電力に変換について学ぶ。
・ エネルギー変換効率,動作係数,エキセルギなどの概念を学び,省エネルギーの意義と如何に省エネルギーを達成するかを考えさせる。


[授業計画]
 第1回   @エネルギーとは? Aリサイクルエネルギーとは?
 第2〜3回  B光合成サイクルとC3,C4植物
 第4回 C生体エネルギー発生サイクルと呼吸サイクル
 第5〜6回  Dエネルギー変換と変換効率,動作係数,エキセルギ
 第7〜8回 E省エネルギーの意義および如何に省エネルギーを達成するか
 第9〜13回 Fバイオマスエネルギーとその利用,G燃料電池発電
 第14〜15回 H太陽エネルギー利用,I小水力・風力発電

教室外の学習

教科書、参考書
参考書:@エネルギー変換,田沼静一著,裳華房,2,163円
A自然エネルギーの利用,押田勇雄著,コロナ社,1,000円
その他,印刷資料を用意する予定である。

授業の形式
通常の講義形式であるが,OHP,模型,ビデオを使うことがある。

成績評価の方式
出席率(60%)およびテスト(40%)により評価する。テストは,原則的に参考書,ノートの持ち込み可である。

履修に当たっての留意点
「熱工学」を履修してから本科目を履修すれば講義の理解が容易である。