■担当教官(所属、所在) |
河合成直(農業生命科学科・農学部4号館107号室) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農業生命科学科 生物機能科学講座2年次 | 講座科目 選択 | 後期 | 1単位 |
■授業の目標 |
自然科学の発達は物質の定性定量法の確立、そのデータの認識による新たなアイデアの創造、そして、さらに新たな実験法の要求の繰り返しにより押し進められてきた。本実験では、その理解のもとに植物体の成分分析法としての化学的定量法の練習とデータ取り扱いの基礎の修得を重点的に行う。 |
■概要と計画 |
本実験は専門必修の学生実験の中で最初に行われること、高校で化学実験を行っていない学生がいることを考慮し、最も基本的な化学実験、すなわち、滴定法、比色法による、窒素の定量実験を行う。また、これと平行して、植物栽培を土耕ポットを用いて行い、上記の無機分析実験で習得した技術を用いて、この植物の窒素含量を定量する。また、これら実験の過程でデータの取り扱い方の基礎を解説する。さらに生体成分であるアミノ酸、有機酸を用いた簡単な定性実験を行い、生体成分及びその定性法についての基礎知識を学ぶ。 第 1 回 植物栽培の準備と播種 第 2 回 窒素定量(水蒸気蒸留法) 第 3 回 〃 (ホルモル法) 第 4 回 〃 (フェノール硫酸法) 第 5 回 〃 (デバルダ合金法) 第 6 回 栽培植物の採取 第 7 回 窒素定量(ニンヒドリン発色法) 第8−10回 植物体の粉砕、植物試料の硫酸分解、植物試料の窒素定量 第 11 回 最小二乗法による検量線の作成 第 12 回 ペーパークロマトグラフィ 第 13 回 有機酸の鉄溶解活性の測定 第 14 回 時計反応 |
■教室外の学習 |
レポート作成の際、科学論文の書き方、コンピューターを用いたデータ整理の仕方については各自、実践し学習してもらう。 |
■教科書、参考書 |
担当者が作成する実験指針をもとに行う。参考書として多くの分析化学実験と統計法に関する良書が出版されており、図書館にもある。 |
■授業の形式 |
実験前の講義により原理手順を説明する。原則として個人実験である。 |
■成績評価の方式 |
レポートにより行う。理由のある場合をのぞき、出席していることが評価の前提である。 |
■履修に当たっての留意点 |
出席をとる。実験の際白衣の着用を義務づける。現在の生物学は、化学を用いて発展していることを理解し、本実験が将来、生物学の各専門分野で学ぶための基礎練習であることを理解する。 |