食品生産システム学

担当教官(所属、所在)
三浦 靖

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 生物機能科学講座4年次

農林環境科学科
 リサイクル生物生産工学講座
講座科目
選択
前期2単位

授業の目標
食品の製造は,製品企画,製品設計,生産計画,工程計画,原料・包装材等の調達,受け入れ検査,保管,加工,評価,検査,出荷などの各ステップから構成される一連のシステムである。食品生産システム学は,食品を対象にした生産システム工学(manufacturing systems engineering)である。したがって,食品生産システム学ではシステム工学,オペレーションズ・リサーチ(OR),制御工学,情報工学,経済工学,生産経済学などについての知識が要求される。本科目では,食品製造における管理の概念,新製品の企画・開発,品質管理,工程管理を含む生産管理の基礎知識を習得し,生産に携わる技術者としての生産システム工学的センスを身につけることを目標とする。

概要と計画
食品生産の技術と管理およびエコノミ,コンピュータによる生産情報システム,現代生産の社会性を解説する。
 第1回 生産システム(1):生産・システムの基本
 第2回 生産システム(2):生産システム,生産形態
 第3回 オペレーションズリサーチ:動的計画法,線形計画法
 第4回 生産のプロセス・システム(1):物・情報の流れ,製品設計
 第5回 生産のプロセス・システム(2):工程計画,レイアウト設計
 第6回 生産のマネジメント・システム(1):管理情報,生産計画
 第7回 生産のマネジメント・システム(2):日程計画,在庫管理,生産コントロール
 第8回 生産のマネジメント・システム(3):PL法,品質管理(ISO 9000s)
 第9回 生産のマネジメント・システム(4):衛生管理(HACCP)
 第10回 生産のマネジメント・システム(5):環境管理(ISO 14000s),リサイクル
 第11回 工業所有権:商標,実用新案,特許
 第12回 生産の価値システム:原価,利益計画,損益分岐解析,設備投資計画
 第13回 コンピュータ統括自動生産システム:オートメーション,CIM
 第14回 生産の社会システム:生産の社会性,社会的生産システム・ネットワーク
 第15回 評価

教室外の学習
講義前に教科書と予め配布する資料を用いて当該内容を必ず予習すること

教科書、参考書
テキスト:「入門編 生産システム工学 第2版」(人見勝人,共立出版,2000年) 教材:配布資料
参考書:「食品工学基礎講座 12:食品システム論」(矢野俊正・桐栄良三監修,光琳,1989年),「生産工学入門」(岩田一明監修,NEDEK研究会編,森北出版,1997年),「機械系 大学講義シリーズ 31:システム工学」(足立紀彦ら,コロナ社,1996年),「生産管理 理論と実践 12:オペレーションズ・リサーチ」(中川覃夫ら,日刊工業新聞社,1995年),「シリーズ・経営情報システム 3:生産情報システム」(太田雅晴,日科技連出版社,1994年),「フードスペシャリスト論」(日本フードスペシャリスト協会,光琳,1998年)など。

授業の形式
実践的な講義を主体とする。必要に応じてOHPやVTRを利用する。

成績評価の方式
平常点(出席状況,授業態度)50点と学期末筆記試験50点とを合計し,60点以上を合格とする。

履修に当たっての留意点
食品産業(製造業,サービス業)に就職する場合には本科目を履修しておくことが望ましい。