森林資源化学

担当教官(所属、所在)
太田路一
農林環境科学科 森林科学講座
2号館2階 208号室

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座3年次
講座科目
必修
前期2単位

授業の目標
 人類は樹木の化学的性質および物理的性質を利用して有用な様々な物質に転換してきたが、今日、地球上の森林は急激に減少しており、森林、木材の利用技術を「人間のニーズを満たす技術であっても地球環境に有害な技術であってはならない」という考え方に立ち転換することが求められている。
 本講義では、森林諸生物の生命活動、森林資源の利用およびその利用技術の学習・研究に必要な基礎知識および研究事例について学ぶことを目標とする。

概要と計画
講義内容は以下の通りである。
1.基本的な基礎知識
  樹木は森林生態系のなかで、他の生物と共存、敵対しながら生命活動を営んでいる。
  まず、樹木とは化学的に見ると何であるかを学び、次にそれらの化学物質が樹木
  自体および他生物にとって何であるか研究事例をもとに学ぶ。

2.研究事例
  生理活性物質の単離、植物の言葉、アレロパシー、植物の病気と抽出成分、
  昆虫の集中攻撃、生態相関 物質の応用。
第1〜5回 木材の組成、糖類の化学        第10〜11回 生態相関物質
第6〜7回 リグニンの化学             第12〜14回 生体防御の分子機構
第8〜9回 抽出成分の化学             第15回    予備

教室外の学習
講義で紹介する研究事例のプリントを教材としてあらかじめ配布するので、講義前に必ず読了すること。

教科書、参考書
教科書:「木材の化学」          (原口隆英、他9名共著、文永堂)

参考書:「化学生態学への招待」          (古前恒著、三共出版)
    「もくざいと環境、エコマテリアルへの招待」(桑原正章編、海青社)

授業の形式
講義を中心とする。

成績評価の方式
学期末筆記試験と出席状況の結果で評価する。
試験70%、出席30%の合計で評価する。

履修に当たっての留意点
関連科目として、有機化学 I、有機化学 II、機器分析化学、微生物学概論、基礎生化学、植物生理学等の
講座外科目を履修することが望ましい