森林資源利用化学

担当教官(所属、所在)
太田路一(農林環境科学科森林科学講座、2号館208号室)
小藤田久義(農林環境科学科森林科学講座、2号館207号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座3年次
講座科目
選択
後期2単位

授業の目標
 森林資源である木材の、現時点での最も大規模な化学的利用形態は、紙・パルプ原料としてのものである。紙は「文化のバロメーター」ともいわれ、人類の知的生産活動には必要欠くべからざるものである。また木材は未来資源として化成品および工業原料としての高い可能性を秘めており、その主要成分を有効かつ総合的に利用するとともに、木材そのものについても化学的処理を施して木質系の新素材を開発する努力がなされている。本講義では紙・パルプ製造技術の現状および発展の方向、木質系バイオマスの成分利用技術および木材の化学的加工法に関しての様々な事例を知る。

概要と計画
紙パルプの製造技術;パルプの製造・漂白、廃液の回収利用、古紙の再生および各種原料パルプからの紙製品製造法

木質系バイオマス利用技術;木質成分の化学的・生物学的変換による利用法

木材の化学的加工技術;木材のもつ性質を利用しつつ、木材の3大欠点(狂う、腐る、燃える)を克服するための化学的処理による制御技術と性質

第1回 バイオマス資源としての木材
第2回 紙パルプの製造:歴史、種類と用途
第3回 紙パルプの製造:機械パルプ
第4回 紙パルプの製造:クラフトパルプ(1)
第5回 紙パルプの製造:クラフトパルプ(2)
第6回 紙パルプの製造:古紙の利用
第7回 紙パルプの製造:調製・抄紙
第8回 成分利用のための前処理技術
第9回 化学的変換と利用(1)
第10回 化学的変換と利用(2)
第11回 生物学的変換と利用(1)
第12回 生物学的変換と利用(2)
第13回 木材の化学処理
第14回 木材・プラスチック複合体(WPC)
第15回 無機質複合化木材

教室外の学習
 本講義では広範囲の内容を概括的に説明するので、その都度扱われた各分野の参考書を読んで理解を深めておくこと。自習の過程で生じた疑問は教官室で受け付けるので、各自積極的に取り組むことを希望する。

教科書、参考書
参考書
 ”紙の文化史”(小宮英俊著、丸善)
 ”パルプおよび紙”(大江礼三郎他、共著、文永堂出版)
 ”木質バイオマスの利用技術”(志水一允他、共著、文永堂出版)など

授業の形式
講義主体で、必要に応じてプリントを配布する。随時小テストを課す。

成績評価の方式
レポート(50点)および期末テスト(50点)で評価する。

履修に当たっての留意点
出席は毎時間とる。質問は授業中、その他は教官室で随時受け付ける。