森林政策学

担当教官(所属、所在)
岡田秀二
伊藤幸男
農林環境科学科

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 地域マネジメント学講座3年次
講座科目
選択
前期2単位

授業の目標
授業の目標と概要
 地域をマネージする上で基本的に大事なことは地域の土地管理と土地利用計画を行うことである。我が国の農山村においては、土地面積の圧倒的部分が林野によって占められている。地域全体の環境形成要素としても、あるいは林野固有の利用においても、これら林野は地域全体の産業や生活環境に多大な影響を与える。また林野利用は、林木の生産期間の長期性から、その目標達成までに長い年月を必要とする。地域の現状や課題を把握する上で森林政策史や地域林業の展開に関する整理が不可欠の重要性を有するのはこのためである。
 この科目では、地域の土地利用計画の主要部分をなす森林について、その取扱いの歴史やそこでの考え方を政策史とともに把握し、地域の土地利用と土地管理の基底とも言える部分について学習する。また、森林は今日森と川と海の絆という面、CO2吸収、都市住民の癒し等の役割から種々の地域連携のいわば基軸をなしており、森林を広い視野からとらえることを狙いとする。

概要と計画
授業計画
第1回 近代以前の農山村生活と林野利用
第2回 近代以前の社会経済と林政
第3回 林野所有の形成過程−我が国の近代化過程と林野、官民有区分と国有林の偏在
第4回 林野所有の形成過程−入会林野と公有林、私有林の地域的特徴
第5回 我が国の近代化過程と林業生産
第6回 戦前期の森林法と社会経済
第7回 戦後林政の課題と新たな森林法
第8回 基本法林政の登場と課題
第9回 高度成長と過疎法及び山村振興法
第10回 国土総合開発と自然環境保全法
第11回 流域管理システムと政策体系の変更
第12回 持続可能な森林経営への林政
第13回 森林整備の施策と事業
第14回 木材振興の施策と事業
第15回 世界の森林政策の特徴

教室外の学習

教科書、参考書
船越昭治「日本の林業・林政」(農林統計協会)、半田良一「林政学」(文永堂)を参考にするが、毎回行政的文書や資料を配付し、また種々の解説的記事を用いて行う。

授業の形式
通常の講義形式で行う。

成績評価の方式
学期末のペーパーテスト(100点)と時折課されるレポートを総合して評価する。

履修に当たっての留意点
「森林政策学」や「木材産業論」さらには日本経済史、日本農業論などに係わる講義科目を履修しておくことが望ましい。