NPO論

担当教官(所属、所在)
土屋 俊幸 農林環境科学科 2号館4階

山本 信次 演習林教育研究部

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 地域マネジメント学講座3年次
講座科目
選択
前期2単位
農林環境科学科
 森林科学講座年次指定無し
講座外科目
選択

授業の目標
 現在、社会の多様な分野で市民参加が重要な課題となり、NPO(非営利組織)、NGO(非政府組織)などの非営利・非政府の新しい社会セクター(市民セクター)が注目されている。こうした市民組織の存在が今後のよりよい社会づくりに向けて不可欠であるとの認識は一般化しつつある。こうした市民による民間非営利組織は急激に増加しており、国際協力に携わるNGOは約400、福祉や環境問題など国内で活動するNPOは推定8万5千ともいわる。しかしながら欧米に比べ歴史も浅く、組織・資金力なども貧弱であり、こうした市民組織の育成・強化は急務である。 本講義では、こうした市民参加の問題を中山間地域振興や地域資源管理の側面から捉え、特にNPOの活動の役割、ならびにその現状と課題について理解を促すこと目標とする。 地域資源管理の問題に関わっては特に森林問題を例として取り上げる予定であり、森林ボランティア活動やグリーンコンシューマー育成に関わる市民参加活動を焦点に据えたものとなる。

概要と計画
 実際の講義では、第1にNPO・市民活動が社会的に必要とされてきた背景、第2に地域資源管理の問題点に触れつつ、都市と農山村の共生する社会づくりの一つの試みとしてのNPO・市民活動の必要性、第3に具体的な活動事例に触れつつ、こうした活動の現状と可能性について、第4にNPOの経営に関する事項についてそれぞれ解説する。第1の点については、諸外国における市民活動発展の経緯とわが国におけるその歴史的発展と現状について述べることになるが、既存の社会システムの不備を補完し、よりよい社会づくりを目指すために不可欠な主体としてのNPOといった視点が重要なポイントである。第2の点については、農家や林家に依拠したこれまでの地域資源管理システムの弱体化過程を概観しながら、そうしたこれまでの地域資源管理を担ってきた主体とNPO・市民活動がどのようにリンクし、新しいシステムを形成するべきかといった点がポイントとなる。こうした二つのポイントを押さえた上で、森林問題を対象に具体的な事例に基づいて理解を深めていく形で講義を行うものとする。


教室外の学習

教科書、参考書
第1回〜第3回 NPO・NGO・市民活動・ボランティアなどの関連概念整理

第4回〜第6回 NPO・市民活動などの歴史的発展過程とその意義

第7回〜第8回  中山間地域問題解決とNPO・市民活動の関連性

第9回〜第11回   森林管理に関わるNPO・市民活動の現状

第12回〜第13回  事例検討

第14回〜第15回  NPOのマネージメント

授業の形式
講義

成績評価の方式
出席、レポート、期末試験を総合して判定する

履修に当たっての留意点
特になし