森林造成学

担当教官(所属、所在)
橋本 良二 農林環境科学科 2号館3階

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座3年次
講座科目
必修
前期2単位
農林環境科学科
 地域マネジメント学講座年次指定無し
講座外科目
選択

授業の目標
人間社会の経済成長が自然植生に大きな攪乱をひきおこすようになって久しい.今では,熱帯多雨林や亜寒帯針葉樹林地帯,また大陸半乾燥地帯の各所に,再生基盤を大きく損なわれた貧相な人為干渉植生を見ることができる.最も高度に発達した植生が森林であり,森林の再生なくして,普く生物集団の共生が望めないことが広く認識されてきている.有史以来,今日ほど,森林の造成が強く求められ森林の持続的利用が深刻に問い返される時代はなかったと考えられる.森林群落構成種が本来的にもつ再生能力や世代交代の様式に目を向けながら,森林造成における人為的フォローのあり方を追究し,様々なフィールドでの事例を通して実践力を養うのが,この授業の目標である.

概要と計画
これまでまったく森林が成立していなかったところに森林を造成することは,現実問題として不可能である.このことから,森林の造成は,古い森林を伐って新しいものに変える,いわゆる更新の形をとるのが普通である.更新には,人工更新と天然更新があり,様々な立地条件の下で種々の目的で更新施業が実施される.これら多様な森林造成について,原理を見きわめながら,個々のケースでの技術を学習する.

第1回 人工林の育成(地拵え,植栽)
第2回 人工林の育成(下刈り,除伐)
第3回 人工林の育成(間伐)
第4回 人工林の育成(枝打ち)
第5回 人工林の育成(管理体系)
第6回 天然更新(定義と作業種)
第7回 天然更新(更新法 その1)
第8回 天然更新(更新法 その2)
第9回 森林立地(物質循環)
第10回 森林立地(適地適木)
第11回 特殊環境造林(多雪地)
第12回 特殊環境造林(熱帯)
第13回 特殊環境造林(半乾燥地帯)
第14回 総括(造林法の将来)

教室外の学習

教科書、参考書
教科書は使用しない.参考書として「造林学 三訂版」(川名 明ら,朝倉書店),「造林学−基礎理論と実践技術」(佐々木恵彦ら,川島書店),「造林学」(堤 利夫編,文永堂出版)などがあり,図書館に所蔵.

授業の形式
講義を主体とし,授業内容の要約および関連の図表等を資料として配付する.必要に応じ,スライド,OHPを使用する.

成績評価の方式
総括的なレポートを課し,問題意識と理解度の面で評価する.出席状況を評価の基準に加えている.

履修に当たっての留意点
森林造成学実習T(1単位)と一体化した授業である.