生物加工工学

担当教官(所属、所在)
西山喜雄(農林環境科学科リサイクル生物生産工学講座、1号館304号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 リサイクル生物生産工学講座3年次
講座科目
必修
前期2単位

授業の目標
 農産物あるいは広く生物生産物は収穫後そのまま食されたり利用されるものはむしろ少なく,食品や燃料あるいは製品となるまでにいろいろな加工を施されるのがふつうである。 この分野の加工技術をポスト・ハーベスト加工技術(Post-harvest technology)とも呼ぶ。ポスト・ハーベスト加工によって,貯蔵性の高い,味の良い,高品質で商品性の高い製品(食品)を製造することができるほか,開発途上国においては,この技術を適用して製品収量を飛躍的に高めうる。また生物生産物を食品以外の,燃料や医用薬品,特殊素材に利用することも注目されている。
生物加工工学では,生物生産物を食品などの製品にまで加工するときの,現象をモデル化して理解することや,加工技術の評価する方法について学ばせることを目標とする。

概要と計画
[概要]
生物生産物に物理的加工を施すときの,加工の基本的原理を理解させる。また,生物体に加工のエネルギーが加わり,生物体物性の違いによってどのように生物体の挙動(すなわち,加工特性)が変わるかについて,あるいは,「高品質とはどういうことか」を考えて,品質の定量化や高品質加工法について検討させる。

[授業計画]
 第1回   @生物加工工学とは A生物加工工学における現象のアナロジーとモデル化
 第2回   Bエネルギー変換プロセスとしての生物加工
 第3〜6回 C生物生産物の乾燥
 第7〜9回 D粒子と流体の力学 E脱皮 F研削・粉砕
 第10〜11回 G選別・分級・分離
 第12〜13回 H生物生産物の貯蔵
第14〜15回 I品質と感性 J非破壊検査による品質判定

教室外の学習
 生物生産施設学およびリサイクル生物生産工学実験と共通で,生物生産加工の現場を見学する。

教科書、参考書
テキスト:@新版農産機械学,山下律也・西山喜雄ら著,文永堂,4,100円
A農業機械システム学,瀬尾康久・岡本嗣男編著,朝倉書店 4,000円

授業の形式
通常の講義形式であるが,OHPは多用する。

成績評価の方式
期末テスト前に中間テスト(2回)を行う。中間テストおよび出席が優秀な者は期末テストを免除する。中間・期末テストとも,原則的に教科書,ノートの持ち込み可。成績評価:出席50%,テスト50%

履修に当たっての留意点