有機化学 I

担当教官(所属、所在)
嶋田和明(農業生命科学科)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 生物機能科学講座2年次
 食品健康科学講座2年次
学科共通科目
必修
前期2単位

授業の目標
有機化学は炭素を基本骨格とする化合物に関する学問である。本講義では以下の3点に主眼を置きながら有機化学の基礎となる構造論・反応論について論述する。
(1)多様な骨格を有する有機化合物の分類・命名とその構造的特徴の概説
(2)有機電子論に基づいた有機反応論の概説
(3)有機合成の基本的概念の把握

概要と計画
有機化合物は炭素と炭素、あるいは炭素と他の元素との共有結合によりその基本骨格が作られている。本講義では最初に化学結合論を紹介し、続いてその結合の多様性によって生じるアルカン・アルケン・アルキン類・芳香族炭化水素・複素環化合物などの構造的特徴やそれらの組織的命名法、立体化学等について論じる。引き続きアルカン・アルケン・アルキン・芳香族化合物などの炭化水素、あるいは酸素・窒素・硫黄・ハロゲン・金属原子などを含む有機化合物の化学反応について論述する。具体的に取り扱う反応は脂肪族化合物の求核置換反応・脱離反応、不可反応、芳香族化合物の求電子置換反応などである。

第1回 講義内容の紹介・化学結合論
第2〜3回 脂肪族炭化水素
第4回 芳香族化合物
第5回 複素環化合物
第6回 炭素化合物の立体化学
第7回 有機反応と化学種の分類
第8〜9回 求核置換反応・脱離反応
第10〜11回 付加反応
第12回 有機金属化合物
第13〜14回 芳香族化合物の求電子置換反応
第15回 期末試験実施

教室外の学習
本講義の受講にあたって日頃の予習復習は不可欠である。また簡単な課題を随時出題し、レポート提出を求める。

教科書、参考書
「マクマリー有機化学概説 第4版」、J. McMurry著 伊藤・児玉 訳
東京化学同人

授業の形式
本講義では上記教科書の第1章から第8章までの内容を取り扱うが、その順序や内容は必ずしも教科書通りではない。講義の際には特に毎時間ごとに出席を取ることはしない。但し、本講義では簡単な課題を用意し、その課題レポートを期限内に提出した者のみを学期末試験の成績評価の対象として扱う。

成績評価の方式
学期末試験の出題範囲は教科書の第1章から第8章に記載されている事項、講義で取り扱った事項、および課題レポートの内容である。基本的には学期末試験(100点満点)の結果えお基本とし、課題レポートの内容を勘案誌ながら最終的な評価を行う。

履修に当たっての留意点
本講義の教科書の第9章以降の内容は、引き続き後期に開講される「有機化学」で取り扱うことになっている。従って、有機化学の基礎を一通り学習しようとする者は「有機化学氈vと「有機化学」を連続的に履修することが望ましい。