リサイクル工学

担当教官(所属、所在)
鳥 巣  諒 (農林環境科学科,1号館3階305室)


対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 リサイクル生物生産工学講座3年次
講座科目
必修
後期2単位

授業の目標
 リサイクル工学は,今回の学部改革によって新しく開講するものである。したがってこれから構築して行かなければならないものである。本講座では,recycle を循環という広義の循環という意味でとらえている。この視点に立つと,地球の水の循環や炭素や窒素の循環が脳裏に浮かぶであろう。生物はこれらの 物質循環という連鎖をうまく利用して生存して来たものであり,耕種農業は植物のこの特性を人為的に行ったものである。また,畜産・水産も全く同様に動物の特性を利用したものである。
 本授業では物質循環,資源等の再利用,人間生活で生じる廃棄物処理,農業廃棄物の再利用に関する基本的な考え方やこれに関する術語等の基礎を学習する。

概要と計画
 循環という用語の中には,有限な生態系の中で生存する動植物の競争・共存から,生物資源や廃棄物の再利用という立場まで非常に広範囲である。はじめに,循環というキーワードで,主に農業の場での事例を整理し,次に,農業廃棄物・未利用資源という立場から,糞尿処理,コンポスト,メタン発酵等の個別事例に共通する基本的手法を整理する。最後に,家電商品や自動車等が利用後は粗大ごみとして問題になっている。農業機械もその一つ問題である。資源の再利用という点から再利用可能な機械の設計という問題を考えてみたい。

 授業計画は次の通りである。

 第1回 緒論
 第2回 物質循環
 第3回 農業における物質循環
 第4回 産業廃棄物
 第5回 耕地生態系
 第6回 農業廃棄物
 第7回 家畜糞尿処理1
 第8回 家畜糞尿処理2
 第9回 農業の未利用資源1
 第10回 農業の未利用資源2
 第11回 農業機械の廃棄問題
 第12回 再利用を考えた機械設計1
 第13回 再利用を考えた機械設計2
 第14回 最終評価 


教室外の学習
 この科目は,広範囲の内容を含み講座の他の科目との関連も大きい。したがってレポート課題を与え教室外での学習を期待する。

教科書、参考書
教科書:なし
参考書:リサイクルに関する新書・全書を各自探されたい。
その他:印刷資料を用意する予定である。

授業の形式
講義形式とゼミ形式を併用する。レポート課題はゼミ発表とする。

成績評価の方式
学期末のテスト(60%),授業時に課したレポート(20%)及び出席状況(20%)で評価し,60%以上を合格とする。

履修に当たっての留意点
出席率2/3未満の者には単位を与えない。