獣医生理学 I

担当教官(所属、所在)
首藤 文榮(獣医生理学研究室、農学部3号館324号室)
森松 正美(獣医生理学研究室、農学部3号館326号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
獣医学科2年次講座科目
必修
後期2単位

授業の目標
生理学は最も重要な基礎科目である。生理学の授業では、生命を支える生体機能の成り立ちとその調節機構を理解し、「生命」の基礎概念を学ぶ。獣医生理学Tでは、神経系、運動系および心・肺機能とその協調関係を理解することを目標とする。

概要と計画
獣医生理学Tでは、生体の生理的機能のうち、動物的機能の成り立ちを中心に講義する。講義の内容は、細胞レベルから個体レベルに亘る。
分子および細胞レベル:生理機能は、細胞機能の有機的統合により成り立っているが、細胞機能は、生体分 子の生化学反応により支えられているから、最初に序論として分子および細胞レベルの機能を概説する。
組織、器官レベル:生体機能調節系の主役である神経系の組織としての構築と刺激伝導のメカニズムについ て講義するとともに、外部情報の受容機構について講義する。
個体レベル:生体の情報受容と運動性応答の機構について講義する。また、これらの機能を支える、血液循 環とガス交換の機構について解説する。


第 1回 分子および細胞
第 2回 神経筋系の序説:ニューロン
第 3回 神経筋シナプス・筋の生理学
第 4回 反射の概念・骨格筋伸長受容器
第 5回 運動ニューロンと機能障害
     脳による姿勢と運動の調節
     前庭器官と小脳
第 6回 視覚系と聴覚
第 7回 自律神経系と副腎髄質・血液脳関門
第 8回 心臓血管系の概説・心臓の電気的活動
     心電図
第 9回 ポンプとしての心臓・体循環と肺循環
第10回 毛細血管と体液交換・血液の局所調節
第11回 血圧調節と心臓血管系応答の統合
第12回 ガス交換・血液ガスの運搬
第13回 換気調節と呼吸以外の肺の機能
第14回 胎子と新生子の酸素運搬
第15回 まとめ









教室外の学習
教科書があり、授業の範囲も分かっているから、必ずその範囲を予習しておくこと。生理機能には、人と動物で共通なものが多い。授業終了後は、自分自身の生理機能についても理解を深めること。

教科書、参考書
教科書として、獣医生理学(高橋 迪雄 監訳、文永堂)を使用する。
参考書は、医学系の生理学書が多数出版されているから、各自参考にすること。

授業の形式
プリントを利用し、思考力および考察力の向上を図る。
必要に応じて、スライド、OHPなどを利用する。

成績評価の方式
授業内容の区切りのよいところで、学期中3〜4回の小テストを行い、その得点により 評価する。
平均点60点以上を合格とする。

履修に当たっての留意点
講義内容を整理するときは、自分の生理機能に当てはめて理解を深めること。
次回の講義予定についてはあらかじめ説明するから、予習を怠らないこと。
小テストの範囲は授業中に予告し、掲示はしないから注意すること。