食品加工学

担当教官(所属、所在)
岩手大学農学部農業生命科学科,盛岡市上田3-18-8

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 食品健康科学講座2年次
講座科目
必修
後期2単位

授業の目標
食品は生命維持,健康維持には不可欠なものであり,農産原料の加工により,高品質,安全性の高い,保存性に優れたものにすることが必要である。そのための、農産物や食品の加工・貯蔵・流通・調理技術は高度化し、新技術が開発され,その技術によって、従来の未利用副産物が有効利用されている。特に,食品加工では具体的な製品化が求められ、そのための食品製造技術,それに関する基礎的知識,その応用も含めた広範な学習が求められる。そこで,基本的な技術を講義するとともに、各技術の本質を理解し、技術のどの部分が、どのように実際に役立つかを理解させる。

概要と計画
 本講義では、食品加工の中でも原料そのものの加工ではなく,成分の分離・加工を主とした技術を講義する。したがって,成分の変換と,高度な分離,精製技術が求められるのでバイオテクノロジーを主体とした技術を修得することになる。
第1回  バイオテクノロジーと酵素
第2回  バイオリアクター1 生体触媒の固定化と
第3回  バイオリアクター2 反応器
第4回  バイオプロセス 1 酵素反応 
第5回   2 微生物反応 
第6回  バイオセパレーション 1 抽出・結晶化・重力分離・電場分離
第7回  バイオセパレーション 2 膜分離
第8回  細胞培養技術 1
第9回  細胞培養技術 2 再生医学への応用
第10回 糖質の加工と利用 1 糖質の高度利用
第11回 糖質の加工と利用 2 糖質の機能とその利用
第12回 糖質の加工と利用 3 糖質製造システム
第13回 複合糖質の生産とその利用
第14回 予備日
第15回 成績評価

教室外の学習
 食品加工技術は実際の食品工場で応用されているものが多く,また,講義で学んだ技術を利用していないケースも多い。なぜ利用されないのか,利用するにはどのように改良すればよいのかなどを考えるようにし,問題意識を高める。

教科書、参考書
テキスト:「バイオケミカル・エンジニアリング」(佐田栄三,砂本順三編,丸善,3500円,1997年)
参考書:「食品工学ポケットブック」(種谷真一、工業調査会、1994年),「基礎食品工学」( 林 弘通ら、建帛社、1996年)、「食品の科学4 食品物理化学」(松野隆一・矢野俊正編、文永堂出版、1996年)、「食品の物理」(種谷真一、槇書店、1989年)、「食品工学・生物化学工学」(矢野俊正、丸善出版、1999年)など

授業の形式
知識集積型の講義を主体とする。必要に応じてOHP、VTR等を利用する。学期末に課題を出す。

成績評価の方式
学期末試験および出席率で評価する。

履修に当たっての留意点
本講義は2年次前期の「食品工学」と独立していて,内容は「食品工学」では詳しく講義されない 部分である。バイオテクノロジー関連は概略的に講義するので「産業微生物学」の履修も望ましい。