■担当教官(所属、所在) |
三輪 弌(農林環境科学科地域デザイン学講座,1号館3階313号室) 佐藤政良(非常勤予定,筑波大学教授) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農林環境科学科 地域環境デザイン学講座3年次 | 講座科目 必修 | 前期 | 2単位 |
■授業の目標 |
河川水ほかの水資源の利用を進めていくためには,利水の各部門(農業用水,上水道,工業用水,発電など)が,それぞれバラバラにではなく,お互いにうまく調整をとりながら計画・実行されていく必要がある.また,地域の開発を進めるためには,利水と洪水防御のための治水事業との調整が必要になる.この授業では,,水資源の特徴,利水と治水の特性を,自然的社会的両面から学び,そのさい必要になる調整方法を理解することを目標とする. 農業用水については,「灌漑排水工学」でより詳しく学び,地域開発については,「農地デザイン工学」との関連も深い. |
■概要と計画 |
講義は,利水を中心とする部分と治水を中心とする部分に分かれる. (1) 主要な水資源である河川水について,地下水や他種資源とも対比させつつ,その自然的・社会的特徴,利水間および治水との間に必要となる調整方法について学ぶ. (2) 河川の治水計画,特に河川改修計画と河道計画の意義,立案方法,さらに現状河川の維持管理対策,問題点について学ぶ. なお,どちらの場合も,諸外国の事例を含めて,湿潤地域から乾燥地域まで,温帯から熱帯までを取り上げ,比較論的な視点を交えるよう心がける. 第1回 概説 第2回,第3回 河川水,地下水,その他の水資源の特徴 第4回,第5回 利水部門(農業用水,上水道,工業用水,発電)の特性 第6〜8回 水利の開発と調整 第9回,第10回 治水の目的,方法,特性 第11回,第12回 河川改修計画,河道計画,地域排水計画 第13回,第14回 河川改修工事,多自然工法,河川の維持管理 第15回 期末試験 |
■教室外の学習 |
雑誌,新聞,HPなどで取り上げられる関連ニュースから,自分で課題を設定して,資料収集し,考察を加え,レポートとしてまとめる. |
■教科書、参考書 |
テキストは,必要に応じてプリントを配布する. 参考書:「水利の開発と調整(上,下)」(新沢嘉芽統編著,時潮社,上:7,000円,下:5,500円), 「利根川の水利」(新沢嘉芽統・岡本雅美,岩波書店 7,300円) |
■授業の形式 |
講義を主とするが,受講生に課題を与えて報告させ,討議する時間もとる. 第2回〜第8回は,非常勤講師による集中講義になる予定である. |
■成績評価の方式 |
期末試験(50%)とレポート(50%)によって評価する. 60%以上を合格とする. |
■履修に当たっての留意点 |
質問,討論に積極的に参加する態度が望まれる. |