水理学

担当教官(所属、所在)
三輪 弌(農林環境科学科地域環境デザイン学講座,1号館3階313号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数

授業の目標
 水理学は,水文学や灌漑排水工学,水利施設工学の基礎となる科目である.
 水理学がどのような場面で応用されているか,実例をまじえてよく理解した上で,水の基本的な物理的性質,特に静水における水圧と水路中の流れについて学び,圧力やエネルギーなどの水理現象の基本となる考え方をしっかりと身に付けることを目標とする.

概要と計画
講義内容の基本となる事項は,次のとおりである.
(1) 静水圧ーーー重力によって生じる水圧は,大きさは水深に比例し,向きは水圧がかかる面に垂直である.この基本原理から,水槽壁面やゲートに働く力の大きさと作用点を求める方法を学ぶ.
(2) 流れの基礎原理ーーー流れの連続性(質量保存則)とベルヌイの定理(エネルギーの保存則)から,管水路や開水路の流速・流量の求め方を学ぶ.
(3) エネルギー損失ーーー水流は,壁面あるいは水流内部でエネルギーを消耗しつつ流下する.また水路への入り口,曲り,拡大・縮小などによっても損失を生じる.それらの損失の大きさの求め方を学ぶ.
第1回   水理学の内容の概説と応用分野の紹介
第2回   水の密度,単位重量,圧縮性,粘性
第3回,第4回  静水力学
第5回,第6回  流れの種類(層流と乱流,等流と不等流,定流と不定流),連続性,ベルヌイの定理
第7回 中間試験
第8回,第9回  管水路での流れ
第10回,第11回  開水路での流れ(常流と射流,マニング式など)
第12回    次元解析と相似則
第13回    構造物 (ゲート,堰) 周辺の流れ
第14回   総復習と質問
第15回   期末試験

教室外の学習
 教科書章末の演習問題や配布プリントの練習問題などを解いてみて,講義の最終回等に質問する.

教科書、参考書
教科書として,大学土木「水理学」 (玉井信行・有田正光共編,オーム社,2,800円)を使用する.
また,基本的な練習問題プリントを適宜配布する.

授業の形式
講義を主とするが,いくつかの厳選した基本問題を授業中に解答させる場合もある.

成績評価の方式
中間試験(50%)と期末試験(50%)によって評価する.
60%以上を合格とする.

履修に当たっての留意点
教科書に準拠して講義を進めるが,水理学の基礎概念については,十分に理解できるよう,教科書を離れ原理から説明する場合が多い.講義への出席が,水理学をわかるための近道である.