雪氷環境防災学

担当教官(所属、所在)
中村 勉(非常勤講師、前岩手大学教授)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座3年次
講座科目
選択
後期2単位

授業の目標
寒冷雪氷圏にある森林は、夏期にはその雪氷を涵養源として成長し、冬期にはその雪氷圏の中で休眠する。この講義の中では、その森林生育の元になっている雪氷圏とその元になっている雪氷の性質とについて考察を進めていく。また、雪氷圏の地球温暖化の中における役割を認識する。この目標のために、本講義では対象現象に関する基礎的な事項について物理学的な考察を通して学んだ上で、種々の雪氷事象ならびに雪氷災害とその防除について学ぶ。

概要と計画
雪氷環境防災学では、本学が雪氷寒冷環境にある特徴に照らし、地球環境下における雪氷 
の役割を念頭に置きながら雪氷の性質の基礎とその人間社会における諸作用に関する理論と
応用について講義する。また、雪氷現象と地すべりなどとの間の相互関係についても講義す
る。

第1回 雪氷圏とは?雪氷防災の意義    第8回 焼結作用 
      雪氷災害とその特徴        第9回 雪崩現象
  第2回 我が国における雪氷研究と雪氷   第10回 雪崩による被害とその対策法
      防災研究の歩み          第11回 雪崩による森林被害
  第3回 降雪現象             第12回 積雪と地すべり
  第4回 降積雪の調査観測法        第13回 雪氷情報網の活用
  第5回 雪の性質             第14回 地球温暖化と雪氷圏の変化。
  第6回 積雪の力学的性質              我が国の降積雪?
  第7回 積雪の熱的性質          第15回 まとめ


教室外の学習
状況が許せば、野外において雪氷の観察等を行う。

教科書、参考書
テキストに準ずる資料の配付を予定している。参考書:「雪の結晶」小林禎石、講談社、「雪の科学」黒岩大助、共立出版:「雪の科学」吉田順五、
NHKブックス:「雪氷防災学」高橋・中村勉編、白亜書房:「災害の事典」
萩原編、朝倉書店:「防雪工学ハンドブック」日本機械化協会編:「基礎雪氷講座」前野・福田編、古今書院、IPC報告書(Cambirige U.Press)

授業の形式
ビデオ・OHP・黒板を用いる。

成績評価の方式
評価は試験及び出席による。試験は論文形式とし、60点以上を合格とする。採点は、設問に対してよく理解しているかどうかを重点的に考える。

履修に当たっての留意点
他の科目の履修を必要としない。授業中の質問は随時受け付ける。