■担当教官(所属、所在) |
西山喜雄(農林環境科学科リサイクル生物生産工学講座、1号館3階304号室)) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農林環境科学科 リサイクル生物生産工学講座2年次 | 講座科目 必修 | 後期 | 2単位 |
■授業の目標 |
本講義は農林環境科学科リサイクル生物生産工学講座の専門科目(とりわけ,リサイクルエネルギー学)に出てくる,エネルギー変換や移動についての基礎をあつかう。すなわち,熱を中心とした,「エネルギー工学」あるいは,「生物生産熱工学」である。「生物生産熱工学」は「工業熱力学」に近いが,湿り空気,農用エンジンサイクル,光合成などに力点がおかれる。ただし,光合成は「リサイクルエネルギー学」において講義される。具体的には,エネルギー変換や移動におけるエンタルピ,エントロピおよびエキセルギー等の概念を理解させ,物理的論理能力をつけさせるとともに,関数計算能力をも会得させることを目標とする。 |
■概要と計画 |
[概要] エネルギーの中での熱の共通性(エンタルピ)と特異性(エントロピ)の概念をたとえ話などから理解させる。また,計算式の誘導では,ポリトロープ変化やサバテサイクル等一般的な式を求めて特殊な場合に適用させていく方法をとり説明の効率化をはかる。しばしば,中間試験や演習で,求める値を式で誘導させ,物理的論理能力をつけさせるとともに,関数付電卓で計算実習させ,熱工学での関数計算能力をも会得させる。計算処理においては数値には必ず単位を付けさせ,物理量の意味,単位の重要性を理解させる。特に生物生産分野で重要な湿り空気については,本学農学部で開発された簡便で高精度な原・西山の式を使って計算する方法を学ぶ。 [授業計画] 第1回 @農業およびリサイクルエネルギー Aエネルギーとは 第2〜4回 B熱力学の第1法則とエンタルピ 第5〜7回 C理想気体と変化,混合気体 第8〜9回 D湿り空気の熱力学計算(計算式の誘導と原・西山の式を使った計算演習) 第10〜12回 E熱力学の第2法則とエントロピ 第13回 F最大仕事とエキセルギ 第14〜15回 G熱機関のサイクル |
■教室外の学習 |
■教科書、参考書 |
テキスト:@工業熱力学,斎藤孟・小泉睦男,共立出版,2,750円 参考書 :A絵でわかる熱力学,オーム社,2,700円 これらはすべて図書館に所蔵されている。しかし,講義とテキストを理解し,計算に習熟することが最も肝要である。 |
■授業の形式 |
通常の講義形式であるが,理論だけでなく,講義中に関数電卓で計算させ,演習によって,式の扱い方と計算能力を修得させる。 |
■成績評価の方式 |
期末テスト前に計算問題の中間テスト(3回)を行う。中間テストと出席率が優秀な者は期末テストを免除する。中間・期末テストは,関数付き電卓を使用した計算問題が主である。教科書,ノートの持ち込み可。成績評価:出席40%,テスト60% |
■履修に当たっての留意点 |
本講義履修者は,関数付き電卓(2,000円程度のものでよい)を携帯すること。したがって,基礎物理学演習(1年次)や同実験(2年次)で購入する電卓は関数付き電卓とすることが望ましい。本講義は基礎物理学に基づいているので,履修がややハードであることを覚悟すれば,物理的センスが養成できる物理代替科目のひとつである。 |