分子遺伝育種学

担当教官(所属、所在)
渡辺正夫(農学部、2号館2階201号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 生物機能科学講座3年次
講座科目
選択
前期2単位
農業生命科学科
 植物生産学講座3年次
講座外科目
選択

授業の目標
高等植物は、動物と異なり、動けないという特徴を有している。そのため、雌雄の生殖器官は、複雑に分化し、花粉と雌しべとの相互作用(受粉反応)の後、受精に至る。高等植物の多くは、一つの花の中に両生殖器官が分化しているため、自家受粉をする可能性が極めて高い。このことは、自殖を促進し、自殖弱勢を招き、種の絶滅にもつながりかねない。こうしたことを回避するために、植物は様々な生殖システムを確立し、自殖を回避している。
 本講義では、こうした植物の生殖システム、特に、自家不和合性に焦点を当て、生理学的、遺伝学的、分子遺伝学的、分子生物学的、有機化学的な研究手法によって得られた成果について概説する。さらに、生殖器官で特異的に発現し、生殖過程において重要な役割を果たしていると考えられる数多くの遺伝子についても概説する。
 最後に、こうした研究を行うための心得についても講義する。

概要と計画
  第1-2回  高等植物の生殖戦略
第3-10回  高等植物の自家不和合性
第11-14回 高等植物の生殖器官特異的遺伝子と生殖との関わり
第15回   分子遺伝学的研究を行うための研究室心得


教室外の学習
 講義の内容はその都度きちんと理解すること。そのために、不明な点は質問をすること。わからないことをきちんと質問すると言うことを、他の講義でも訓練すること。 

教科書、参考書
参考書として、「花-性と生殖の分子生物学-」(日向康吉ら編集、学会出版センター)、「植物の生殖」(チャールズ・ダーウィン著、矢原徹一訳、文一総合出版)、「ダイコンだって恋をする」(生井兵治著、SGN)を奨める。

授業の形式
講義を主体とする。参考資料を配布する場合もある。

成績評価の方式
学期末試験(90%)及びノート (10%)の提出にて評価する。

履修に当たっての留意点
質問は授業中及び研究室で随時受け付ける。
遺伝学の知識が基礎となるので、「遺伝学概論」を履修しておくこと。
「植物育種学I」、「植物育種学実験」を履修しておくことが望ましい。