■担当教官(所属、所在) |
平田統一(附属農場、御明神牧場) 佐藤鐵郎(動物科学講座) 中村哲夫(非常勤講師、農業生命科学科) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
獣医学科2年次 | 学科共通科目 必修 | 前期 | 獣医学科1単位、動物科学講座2単位 |
農業生命科学科 動物科学講座2年次, 3年次 | 講座科目 必修 |
■授業の目標 |
農学は自然と人間との関わりを探究し`人´の立場から自然を継続的に利用して、両者の共存を模索する総合的な学問であると捉えることができる。その典型的で伝統的な例は農林業などの一次産業に対する農学の寄与である。近年の学問の急激な発展と大学院教育の重視により各自の学問的な興味や実験手法、理論立てがきわめて専門性の高い狭い範囲に限定されることは一面では当然のことであるが、農学部に在籍する者は自然科学の`利用´、人間の営みと学問の有り様との関係に対する興味を持ち続けるべきであると考えられる。 牧場実習は、実際に家畜に接し、飼料作りを体験することによって人間の営みである畜産業と農学との関わりについて、そして自らが農学部で勉強する意味について考える機会を与えることを目的とする。 また、牧場実習は畜産という切り口から関連する個々の学問を統合的、概説的に捉えることができるほとんど唯一の機会である。農学の`利用´を考えた場合には個々の学問のレベルの高さはもとより、それらを統合する力が必要であることを体験する機会となるだろう。 さらに、牧場実習はクラス全員が4泊5日の宿泊を共にして実施される。この実習が互いをよく知り合いクラスの友情と団結を生む機会となれば幸いである。 |
■概要と計画 |
本実習は農学部附属御明神牧場(春期および夏期)と学外の公共牧場において実施する。実習に先立ち、実習に関わる説明と講義を行う。学外実習では、多角的な牧場経営の実際を学ぶとともに、農村、畜産、流通の現状について認識を深める。 1.附属御明神牧場における実習(説明会と4泊5日の実習) 1-1.家畜の飼養管理(夏期:放牧型、春期:舎飼型) 1-2.放牧対策(牧柵の修繕など) 1-3.粗飼料調製(サイレージ、乾草調製など) 1-4.家畜の健康管理(体重測定、駆虫剤の投与、削蹄など) 1-5.草地更新(堆肥散布、耕起、播種など) 1-6.放牧地対策(雑草除去など) 1-7.家畜の繁殖管理(去勢、人工授精見学など) 1-8.羊の毛刈り 注:家畜の飼養状況や作業の進捗状況によって実習内容が変更される場合がある。 2.葛巻畜産公社における実習(公社概況や畜産業情勢の説明会と1泊2日の実習) 2-1 則尺、除角、去勢の実技。 2-2 草地管理。 2-3 畜産施設の見学;とくに飼料貯蔵施設、乳牛舎、肉牛舎、糞尿処理施設など。 |
■教室外の学習 |
■教科書、参考書 |
事前に応用生物学科(応用動物学専修)と獣医学科の合同で牧場実習説明会を行う。 実施に当たって「実習計画表」、「実習要項」、「パンフレット」等を参考にする。 |
■授業の形式 |
宿泊実習。5つ前後の班を編成して実際に手足を動かし作業を行う体験実習。 |
■成績評価の方式 |
原則として、出席(遅刻の有無を含む)で評価。レポート、アンケートの提出を求める。 |
■履修に当たっての留意点 |
大型農業機械の運転や大動物の取り扱いに当たっては事故防止のため指導教官等の指示に従うこと。 御明神総合施設への宿泊に当たっては健康と快適な生活、備品の保全のために宿泊ルールと指導教官等の指示に従うこと。 本実習は、野外における実際的な畜産経営の見学、実習(葛巻畜産公社、1泊2日、とくに飼料貯蔵施設、乳牛舎、肉牛舎、糞尿処理施設など)を併せて単位とし、当該講座、学科の担当教員が合否を判断する。 |