森林環境と生物

担当教官(所属、所在)
青井俊樹、太田路一、国崎貴嗣、石井正典、井良沢道也
(森林科学講座)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座2年次
講座科目
必修
前期2単位

授業の目標
 森林は水と温度により決まります。そして、多様な生物(微生物、昆虫、草木、魚類、野鳥、哺乳動物)が森の生態系の一員となり、相互に密接な関係を形成します。それは、微生物から哺乳動物にいたる食物連鎖、あるいは生物個体の防御と再生戦略を通して見る事ができます。
 この講義は、森林の成立条件と諸生物間の相互関係について学習し、森林に対する知的探求心を掘り起こす端緒となることを目標とします。また、森林科学の入門となる講義です。

概要と計画
 講義内容は、主として次の3分野から構成されます。
(1)水源地の河川に棲息する魚類等の分布・生態、治山・砂防ダムの環境への影響・対策、森林と大気の相互作用、地球・大陸規模での気候システムへの森 林の影響を講義する
(2)森林環境と野生動物との相互関係について動物生態学の目 で講義する。また、樹木同士の資源を巡る競争が森林発達にどのように影響するのか、群落生態学の目で講義する。
(3)植物と植物、植物と昆虫、植物と微生物の相互関係において、化学物質がどのような役割を果たしているのか化学生態学の目で講義する。

第1〜3回   魚道の設計、設置状況と問題点      
第4〜5回   森林におけるエネルギーと水の循環
第6〜8回   ヒグマの生態学的特性     
第9〜10回   地形に対応した森林の発達
第11〜14回 化学生態学、生物間の相互関係
第15回     予備

教室外の学習
講義で紹介する話題のプリントを教材として予め配布するので、講義前に必ず読了すること。

教科書、参考書
水の気象学  (武田喬男・上田 豊ら、東京大学出版会)
魚道の設計  (広瀬利雄著、山海堂)
ヒグマの原野 (青井俊樹、フレーベル館,東京)
森林生態学  (岩坪五郎編、文永堂出版,東京)
共進化の謎に迫る 化学の目で見る生態系(高林純示 他2名、平凡社)

授業の形式
講義を中心とする。

成績評価の方式
各教員ごとの小試験(40%)、レポート(30%)と出席状況(30%)の結果で評価する。

履修に当たっての留意点
この講義は入門編なので、知的興味を感じた分野、或いは話題を基にして参考書を読み深める事。