土壌物理学

担当教官(所属、所在)
登尾 浩助(農林環境科学科地域環境デザイン学講座,1号館210)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 地域環境デザイン学講座2年次
講座科目
必修
後期2単位
農林環境科学科
 リサイクル生物生産工学講座年次指定無し
講座外科目
選択

授業の目標
作物生産そして物質・エネルギー移動の媒体としての土壌の物理的な性質と土壌中における水分・熱・ガ ス・溶質移動の過程を理解し、学習した土壌物理学の知識が身の回りの問題としての水資源保全、地下水汚染防止、作物の水管理等に適用できることを学ぶことが目標である。

概要と計画
 土壌の基本組成、土壌中の水のエネルギー状態、作物生育との関係等を学習する。そして、パソコン上で動作する有限要素法を利用したシミュレーションモデルを使って、土壌中における水・溶質・熱移動に対して土壌や移動物質の性質が与える影響を理解する。
第1回 三相系としての土壌と密度・孔隙率・水分量
第2回 土壌構造の分類、粒度分布と土性
第3回 土のコンシステンシー
第4回 水ポテンシャルと土壌含水率の関係・ヒステリシス 
第5回 水ポテンシャルと作物の水利用
第6回 飽和土壌中の水分移動と飽和透水係数
第7回 不飽和土壌中の水分移動と不飽和透水係数・土壌水分特性曲線
第8回 コンピュータシミュレーションの説明
第9回 水分移動のコンピュータシミュレーション演習
第10回 土壌中の溶質移動と分散係数
第11回 溶質移動のコンピュータシミュレーション演習
第12回 土壌中の熱移動と熱伝導率・熱容量
第13回 熱移動のコンピュータシミュレーション演習
第14回 土壌中のガス移動とガス拡散係数
第15回 期末試験

教室外の学習
教科書を使って予習・復習を行うこと。コンピュータの操作と表計算ソフトの取り扱いに習熟すること。

教科書、参考書
教科書:D. Hillel著「環境土壌物理学(1)土と水の物理学」農林統計協会 4,000円
教材:コンピュータモデルとプリント資料を配布する
参考書:D. Hillel著「環境土壌物理学(2)耕地の土壌物理」農林統計協会 4,000円
D. Hillel著「環境土壌物理学(3)環境問題への土壌物理学の応用」農林統計協会 4,000円
土壌物理研究会著「土の物理学」森北出版 4,000円
G.S.Campbell著「パソコンで学ぶ土の物理学」鹿島出版会 3,500円

授業の形式
黒板によって授業を進める。コンピュータシミュレーションモデルを使って各自に割り当てられた演習課題を解き、レポートとして提出する。

成績評価の方式
期末試験(80%)、レポート(10%)、出席(10%)で評価する。評価基準は、優(80以上)、良(70以上〜80未満)、可(60以上〜70未満)、不可(60未満)とする。

履修に当たっての留意点
情報基礎と基礎数学演習または農学のための微分積分学を履修しておくこと。農地工学、農地デザイン工学、環境修復工学、環境計測学、土質力学、水文学、環境計測学実験、土壌・土質実験と関連が深い科目である。