■担当教官(所属、所在) |
花見仁史(人文社会科学部) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
全学科年次指定無し | 学部専門基礎科目 選択 | 後期 | 2単位 |
■授業の目標 |
環境問題,生命操作等の場面に直面している現代人にとって,人類の知として共有されている(べき,はずの)自然科学を正しく理解し,それに基づいて広い視野と具体的方法で対応して生きていくことが必須の素養である。 その必要とされる自然科学の世界観は,物質の構成要素である分子,原子とその運動状態に関わりながら変換されていくエネルギー,さらに,構成された様々なシステムの振舞いを左右する熱やエントロピーなどの物理学の考え方が基本的な土台になっていると言って良い。 したがって,本講義では,保存するエネルギー,分子原子の運動としての熱現象,システムにおける乱雑さとしてのエントロピーを,現代的緒問題に即した実例を通して取り上げて,日常見過ごしている自然現象を定式定量化し,自然科学的手法の基礎を学習する |
■概要と計画 |
・はじめに "物理学"ではどのように世界を理解しているのか。 エネルギーと保存則 様々なエネルギー エネルギーの伝達と変換 エネルギー保存則 ・熱現象 ・温度と熱(比熱,熱容量) ・気体の法則(ボイル・シャルルの法則,気体分子運動論) ・熱機関,エネルギー変換効率 −> エントロピーの概念 ・熱物理学の基本法則 第0法則=温度の定義(熱平衡の概念) 第1法則=エネルギー保存則 第2法則=エントロピー増大則 |
■教室外の学習 |
予習・復習のほか,授業内容の理解を深めるため,授業中に課すレポート課題などについて習熟すること。 |
■教科書、参考書 |
テキスト:基礎からの物理学 (原 康夫 著 学術図書出版社) 参 考 書:『ファインマン物理学』(ファインマン著,岩波書店) 『物理学に基づく環境の基礎理論』(勝木 あつし, 海鳴社) 『環境理解のための熱物理学』(白鳥紀一,中山正敏,朝倉書店) |
■授業の形式 |
板書を中心とした授業であるが,講義2〜3回に1回20分程度の演習,レポート提出を課して,学生各自の学習を補う。 |
■成績評価の方式 |
・学期末の試験で評価する。 ・出席およびレポート提出の状況も当然加味される。 |
■履修に当たっての留意点 |
・物理学に限った事ではないが,積極的に考え,自らの頭,手を総動員して,疑問を友人,教官との議論で明らかにしていく姿勢が基本である。 ・「物理学」を履修しておくことが望ましい。基礎物理学演習もあわせて履修することが望ましい。 |