■担当教官(所属、所在) |
礒 部 公 安(農業生命科学科、生物機能科学講座、応用微生物学研究室:4号館217号室) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農業生命科学科 生物機能科学講座3年次 | 講座科目 選択 | 後期 | 1単位 |
■授業の目標 |
微生物は、肉眼では見えないが自然界のあらゆる環境に普遍的に存在し、地球上の物質循環や環境浄化に重要な働きをしている。また、発酵や醸造、食品の保蔵、作物病害の防除、動物疾病の予防や治療など、幅広い分野で中心的役割を演じており、有用物質の生産にも広く利用されている。さらに、バイオテクノロジーや遺伝子工学などによる生命の基本的現象を解明するための研究材料としても必須である。 本実験では、微生物の特徴や基本的な取扱い方法を修得し、同時にこの実験を通して微生物学の講義内容をより深くかつ具体的に理解することを目的とする。 |
■概要と計画 |
微生物は、文字通り極めて微小で、個々の細胞を肉眼で認識することは困難であるため、微生物の発見や研究の歴史は比較的新しく、初期の微生物研究は、取扱い方法(方法論)の歴史であり、微生物を取扱うためには特有の技法や注意が必要である。 本実験では、微生物の取扱いに関する基本的な操作や技 術を理解・修得し、その上に立って微生物の純粋分離培養、コロニー形態の観察、細胞の顕微鏡による観察などを行う。更に微生物の生育特性や生理学的な性質を取り上げて実験する。 1) 微生物学実験の概要及び一般的注意 2) 微生物学実験における基本操作:微生物培養の基本理念・綿栓法・殺菌法 3) 培地の調製培地の組成と種類及び調製法 4) 無菌操作法:無菌箱やクリーンベンチによる微生物の無菌的取扱い(接種法) 5) 自然環境における微生物の分布の検索 6) 純粋培養法 7) 代表的な糸状菌(カビ)・酵母・細菌を種々の培養法で純粋培養し、その特徴を観察する。 ・斜面培養、平面培養(糸状菌)、平面分離培養(酵母・細菌)、液体培養 8) 顕微鏡による微生物の観察:顕微鏡の原理及び使い方、細胞染色法(グラム染色・胞子染色など) 9) 顕微鏡による計測:糸状菌・酵母・細菌の大きさと細胞数の計測 10) 酵母によるアルコール発酵:液体培地による酵母の大量培養 ・酵母細胞を用いたグルコースのアルコール発酵を理論的に解析する。 |
■教室外の学習 |
特になし |
■教科書、参考書 |
微生物実験マニュアル(安藤昭一編著・技報堂出版・1957円)をテキストとして使用する。 その他、独自に編集作成した「応用生物化学実験Tテキスト」及び「実験計画表」に沿って実験を進める。 種々の参考資料も必要に応じて提供する。 |
■授業の形式 |
微生物学実験は、実験器具類などの制約があるために、4〜5人のグループで行う。 実験は、実際には毎週月火水曜日の午後に連続して行う。 |
■成績評価の方式 |
実験への出席状況と各自がまとめたレポートの内容で行う (出席を重視)。 |
■履修に当たっての留意点 |
実験は各自手足を動かして行動し、観察・記録することが重要であるので、出席は毎時間確認する。 |