木材物理学実験

担当教官(所属、所在)
関野 登(農林環境科学科森林科学講座、2号館108号室)
澤辺 攻(      同上、     2号館110号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座3年次
講座科目
選択
前期1単位

授業の目標
 木材物理学の講義で学習した木材の物理的性質、および木質強度学の講義で学習する力学的性質について、内容の理解を一層深めることを目的とする。また、木材を対象とする計測方法の基礎原理や計測値の取り扱い方法を修得することも目的としている。

概要と計画
 はじめに、計測の基礎を学ぶ。計測とは、種々の量の測定方法の決定、その実行、および測定値の処理を通じた一連の作業である。何をどの様に測れば良いか? 得られた値はどの様な意味を持つか? などについて、自ら考える習慣を身に付けて欲しい。実験内容は、次の二部門から構成される。一つは物理的性質であり、比重や空隙構造、吸湿性、膨潤・収縮性、熱に対する性質について測定を行う。もう一つは、力学的性質であり、弾性率、強度、および粘弾性に関る測定を行う。
  第1回   :実験ガイダンスおよび計測の基礎@
 第2回   :計測の基礎A -計測機器の原理-
  第3回 :計測の基礎B -計測値の取り扱い・統計処理-
 第4〜8回 :木材の各種比重・吸湿性・膨潤収縮
     @全乾比重、気乾比重、容積密度の測定  
     A真比重の測定     B膨潤収縮の異方性 
     C平衡含水率および吸着等温線
 第9回   :木材の熱的性質 -熱伝導率の測定-
第10〜12回 :木材の弾性と強度 @圧縮強度 A曲げ強度、弾性率
  第13〜14回 :木材の粘弾性@応力緩和 Aクリープ  
  第15回   :予備

教室外の学習
実験の内容ごとに、随時レポートを課す。

教科書、参考書
実験マニュアルを配布する。参考書としては「木質科学実験マニュアル」(日本木材学会編、文永堂出版)などがある。レポートの作成に当たっての参考書は、随時紹介する。

授業の形式
小規模(3〜4人)のグループ構成による実験とする。

成績評価の方式
レポートの内容で評価し、その評価基準は、@実験内容の意味を理解しているか、A論理的な考察を行っているか、A適切な図表の表現や明快な文章表現となっているか、などとする。また、出席率2/3以下の者には単位を与えない。

履修に当たっての留意点
出席を毎時間とる。質問は随時受け付ける。受講に際しては、木材物理学の単位を修得していること、および木質強度学を受講していることを前提とする。