■担当教官(所属、所在) |
関野 登(農林環境科学科森林科学講座、1号館108号室) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農林環境科学科 森林科学講座3年次 | 講座科目 必修 | 前期 | 2単位 |
■授業の目標 |
多孔性材料である木材は、他材料と比較して軽量高強度という特徴をもつ。ただし、生物材料特有の組織構造に起因して、木材の方向によって種々の性質が異なる”異方性”や樹種特性を有する。木材を適性に加工・利用するには、このような特性を十分に理解する必要がある。本講義では、木材の様々な力学特性について、他材料との比較を交えて論じる。 |
■概要と計画 |
はじめに、弾性・粘弾性・破壊など、外力に対する応答の仕方を基礎から学ぶ。その後,各種の力学的性質や、これらに及ぼす種々の影響因子と影響の仕方について学習する。続いて、木材のような高分子材料に特徴的な現象である応力緩和やクリープ、およびそのモデル化手法について学ぶ。最後に、木材を構造部材として使うときに重要となる許容応力度や、強度等級区分(ストレスグレーディング)について学ぶ。 第1回 :外力に対する木材の応答 (弾性・粘弾性・塑性・破壊) 第2〜6回 :力学的性質各論 @圧縮 A引張 B曲げ Cせん断 D柱の座屈Eねじり F硬さ G衝撃 H摩耗 I疲労 第7回 :中間テスト 第8〜10回 :力学的性質に及ぼす諸因子 @密度 A繊維傾斜 B節 C含水率 D温度 E荷重速度 第11〜12回:応力緩和とクリープ 第13回 :動弾性 第14回 :ストレスグレーディングと許容応力度 第15回 :予備 |
■教室外の学習 |
毎回、授業の最後に演習を行うが、時間中に解けない場合は宿題となる。 |
■教科書、参考書 |
「木材科学講座3 物理」(高橋・中山編、海青社)を教科書に用いる。 また、必要に応じて参考資料を配布する。 |
■授業の形式 |
講義が主体であり、随時、演習を課す。 |
■成績評価の方式 |
学期中間および学期末の試験結果で評価し、その割合は各々50%とする。 また、出席率1/2以下の者には単位を与えない。 |
■履修に当たっての留意点 |
出席を毎時間とる。質問は随時受け付ける。 受講に際しては、木材物理学の単位を取得していることが望ましい。 |