■担当教官(所属、所在) |
嶋田 和明(農業生命科学科) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農業生命科学科 生物機能科学講座2年次 食品健康科学講座2年次 | 学科共通科目 必修 | 後期 | 2単位 |
農林環境科学科 森林科学講座2年次 | 講座外科目 選択 |
■授業の目標 |
有機化学は炭素を基本骨格とする化合物に関する学問である。本講義では有機化学 I からの継続科目として、以下の3点に主眼を置きながら有機反応論の基礎を解説する。 (1) 有機化合物の構造と化学反応性の関連、および有機電子論に基づいた有機反応論の理解 (2) 有機合成の基本的概念の把握と応用 (3) 有機化学的視点に基づく生体内有機反応の理解 |
■概要と計画 |
有機化合物は炭素と炭素、および炭素と異種元素の共有結合によりその基本骨格が作られており、その構造や結合様式に応じて多様な化学反応性が現れてくる。本講義では主に炭素と異種元素との結合を有する有機化合物の構造的特徴と主な化学反応性について概説する。具体的にはハロゲン化アルキル、アルコール・エーテル類、アルデヒド・ケトン類、各種カルボニル化合物、アミン類等について、その構造と化学反応性の関連、および主要な合成法と化学変換法を論じる。また講義内容とライフサイエンスとの関連づけを通して生体内の有機化学反応の特徴の一端を明らかにする。 第1回 講義内容の紹介・基礎的化学反応論 第2〜3回 ハロゲン化アルキル 第4〜5回 アルコール・エーテル・フェノール 第6〜7回 アルデヒド・ケトン 第8〜9回 カルボン酸とその誘導体 第10〜11回 カルボニル化合物の化学反応と合成的利用 第12回 有機金属化合物 第13回 アミンおよびその誘導体 第14回 課題レポートの解説 第15回 期末試験実施 |
■教室外の学習 |
本講義の受講にあたっては有機化学 I の知識が不可欠である。従って受講に先立つ有機化学 I の復習と日頃の予習復習を必ず行うことが望ましい。また、講義内容の理解を助けるために簡単な課題を出題し、レポート提出を求める。 |
■教科書、参考書 |
教科書:「マクマリー 有機化学概説 第 4 版」、J. McMurry 著、伊東・児玉 訳、東京化学同人 |
■授業の形式 |
本講義では上記教科書の第7章から第12章までの内容を主に取り扱うが、その順序や内容は必ずしも教科書通りではない。講義の際には特に毎時間ごとに出席を取ることはしない。但し、本講義では簡単な課題を出し、その課題レポートを期限内に提出した者のみを学期末試験の成績評価の対象者として扱う。 |
■成績評価の方式 |
学期末試験の出題範囲は教科書に記載されている事項、講義で取り扱った事項、および課題レポートの内容である。基本的には学期末試験(100点満点)の結果を基本とし、課題レポートの内容を勘案しながら最終的な評価を行う。追試験・再試験等は一切行わない。 |
■履修に当たっての留意点 |
有機化学の内容は生物化学や食品化学系教科の基礎としても位置づけられる。従って次年度以降にこれらの科目の履修を目指す者は予め「有機化学 I 」と「有機化学 II 」をきちんと履修することが望ましい。 |