海外の林業

担当教官(所属、所在)
國崎貴嗣(農林環境科学科森林科学講座教官 2号館4階415室 kunisaki@iwate-u.ac.jp)
および森林科学講座教官

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座4年次
講座科目
選択
前期2単位

授業の目標
 物ごとを見るとき大事なことは、一つの視点からだけではなく、複数の視点や見方で捉えてみることである。そうすると、単一の視点からは見えなかった様々な部分が見えてきて、物ごとの全体像がわかるようになる。
 日本の森林や林業を見る場合も同じことが言える。海外の森林や林業、あるいはそこでの森林と人々とのつながりを知ることによって、日本の森林を中から見ている場合と比べて、よりよく日本のことがわかるようになることがある。また、世界の森林が日本の森林とどう繋がっていっているのかをたどっていくことから、日本の森林や林業の抱える問題が鮮明に見えてくることもある。
 この授業では、東南アジア、北アメリカ、ニュージーランドの森林と日本とのつながりを、木材の生産・輸出入と環境問題という二つの視点から捉え(実際には、この二つの事柄は分かち難く結びついている)、説明してみたい。

概要と計画
 下記のように、東南アジア(フィリピン、インドネシア、マレーシア等)、北アメリカ(アメリカ合州国)およびニュージーランドについて、地域内での木材生産の動向を日本との関係(木材生産、流通等)を軸にして説明したい。
 なお、ヨーロッパやロシアについても、木材輸出入の概況を示す。

1.世界の木材需給と森林減少
2.東南アジアの木材生産の変遷,フィリピン
3.インドネシア
4.マレーシア
5.タイ,ミャンマー,ラオス,
  カンボジア,ベトナム
6.アメリカ合州国,カナダ
7.人工林林業の台頭,ニュージーランド
8.ロシア
9.スウェーデン,フィンランド,ドイツ
10.諸外国の林業と日本の林業の比較
  (以上,國崎が担当)

11〜15.スライドによる諸外国の事例
  (森林科学講座教官が担当)

教室外の学習
 授業中に議論を行うこともあるので、下記に示す参考書や授業時に紹介する書籍を積極的に読み、森林や林業に対する自分なりの考え方を養っておく必要がある。

教科書、参考書
参考書:熊崎 実「地球環境と森林(林業改良普及双書No.114)」全国林業改良普及協会、
ジャック・ウェストビー「森と人間の歴史」築地書館、樫尾昌秀「東南アジアの森」ゼスト、村嶌由直編「アメリカ林業と環境問題」日本経済評論社、「諸外国の森林・林業」日本林業調査会など。

授業の形式
配布資料を用いた講義。また幾つかの地域についてスライドを交えて講義する。

成績評価の方式
筆記試験

履修に当たっての留意点
関連科目である「林業・木材産業論」、「海外農林開発論」(地域マネジメント学講座で開講)を履修することが望ましい。