■担当教官(所属、所在) |
土屋俊幸(非常勤講師、農林環境科学科) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農林環境科学科 地域マネジメント学講座3年次 | 講座科目 必修 | 前期 | 2単位 |
農林環境科学科 森林科学講座年次指定無し | 講座外科目 選択 |
■授業の目標 |
この100年ほどの間、国民の観光レクリエーションに対する需要は、第二次世界大戦の前後を除けば、ほぼ一貫して増大してきた。そして今後も、増大のテンポは落ちるかも知れないが、決して減少はしないだろう。そうした現象が、農山村の自然資源や人間社会にどのような影響を与えてきたのか、そして今後われわれはどのようにこの現象に対応して行けばよいのか、を考えようというのがこの講義の目標である。今や、観光レクリエーションが農山村の自然資源や地域社会に与えるプラス・マイナスの影響は非常に大きく、例えば産業としてみても農林業と並んで農山村における主要な産業の一つとなっている。この講義では、農山村において重要さを増す観光レクリエーションについて、その概要を理解してもらいたい。 |
■概要と計画 |
実際の講義では、二つのかなり性格の異なることがらを扱う。一つは、産業としての観光レクリエーション業であり、もう一つは、人間の活動としての野外レクリエーションである。この二つは、実際の場面では大きく重なり合い、また関わり合っているが、ひとまずここでは分けて整理することにしたい。 前者については、観光レクリエーション業の20世紀に入ってからのおよそ100年間の発展過程がどのようなものであったかについて概観することにする。その際注目するのは、企業や政府などの観光レク・サービスを生産する側、別の言葉で言えば観光レク開発をする側の論理・行動と、開発を受け入れる「地域」の側の論理・行動が、どのように関わり合い、影響し合っているかである。 もう一つは、登山、ハイキング、キャンプなどの野外レク活動についての概論である。これらの活動について、その社会的背景や活動そのものの特性、さらに自然資源管理の一環としての管理のあり方について、欧米の状況と日本の状況を比較しつつ考えてみたい ・総論 8.サステナブル・ツーリズム 1.観光レクリエーションとは 9.観光レクリエーション開発と地域 2.農山村と観光レクリエーション ・野外レクリエーション活動とその管理 3.事例視察 10.野外レクリエーションの特性 ・観光レクリエーション業の発展 11.日本と欧米の野外レクリエーション 4.日本における観光レクリエーション業の特徴 12.野外レクリエーション活動の理論 5.戦前期の観光レクリエーション 13.野外レクリエーション管理の考え方 6.高度経済成長期の観光レクリエーション 14.広域的管理手法 7.リゾート開発問題 15.属地的管理手法 |
■教室外の学習 |
農林業とは異なり、観光レクリエーションの現場は皆が経験している。問題は、その現場を客観的視点から捉え直すことができるかである。授業中に頻繁に各自の経験を質問するので、現場の客観化に日常的に努めること。 |
■教科書、参考書 |
教科書はない。参考書としては、松村和則(編)『山村の開発と環境保全ムレジャースポーツ化する中山間地域の課題』南窓社。 |
■授業の形式 |
講義+事例視察1〜2回 |
■成績評価の方式 |
小テスト20%、期末テスト50%、リスポンスカード(出席点を含む)30% |
■履修に当たっての留意点 |
特になし。 |