獣医生理学 II

担当教官(所属、所在)
橋爪 一善 (獣医学科 基礎獣医学、農学部3号館324号室)
森松 正美 (獣医学科 基礎獣医学、農学部3号館326号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
獣医学科3年次講座科目
必修
前期2単位

授業の目標
獣医生理学は最も重要な基礎科目であり、動物の生命を支える生体機能の成り立ちを理解するための科目である。獣医生理学Uでは、獣医生理学Tの知識を基にして、個体を維持するためのエネルギーの補給と恒常性を維持するための液性調節機構を理解することが目標である。

概要と計画
獣医生理学Uでは、生体が生命を維持するために自律的に働いている機能について、以下の4領域に亘って講義する。
消化管機能と栄養生理:動物の生命維持に必要なエネルギーと栄養素の補給、代謝について解説する。特  に、単胃の動物と反芻動物では消化管の機能とエネルギー利用が大きく異なる点について説明する。
腎機能と酸塩基恒常性:生体の恒常性維持に腎臓が果たしている役割について、老廃物の排除機構、血圧の 調節および酸塩基平衡の維持機構を中心に講義する。
内分泌系:個体の各種機能はホルモンによって調節されている。内分泌の詳細な機構については内分泌学の 講義があるので、ここでは、内分泌系の構成と調節機能の概要について解説する。
体温調節:恒温動物の体温維持、調節機構について解説する。

第 1回 消化管機能の調節・胃腸管の運動
第 2回 消化管の分泌
第 3回 消化と吸収ー発酵 
第 4回 消化と吸収ー非発酵
第 5回 消化管生理学のまとめ
第 6回 腎機能・糸球体濾過・溶質の再吸収
第 7回 水分平衡
第 8回 酸塩基平衡・酸塩基恒常性
第 9回 腎臓生理学のまとめ
第10回 内分泌系
第11回 内分泌腺とその機能
第12回 乳腺機能
第13回 分泌生理学のまとめ
第14回 体温調節
第15回 まとめ

教室外の学習
教科書があり、授業の範囲も分かっているから、必ずその範囲を予習しておくこと。授業終了後は、自分自身の生理機能についても理解を深めること。

教科書、参考書
教科書として、獣医生理学 第2版(高橋 迪雄 監訳、文永堂)を使用する。
医学系の生理学書が多数出版されているから、各自参考にすること。

授業の形式
プリントを利用し、思考力および考察力の向上を図る。
必要に応じて、スライド、OHPなどを利用する。

成績評価の方式
授業内容の区切りのよいところで、学期中3〜4回の小テストを行い、その得点により 評価する。
平均点60点以上を合格とする。

履修に当たっての留意点
講義内容を整理するときは、自分の生理機能に当てはめて理解を深めること。
次回の講義予定についてはあらかじめ説明するから、予習を怠らないこと。
小テストの範囲は授業中に予告し、掲示はしないから注意すること。