■担当教官(所属、所在) |
橋本 良二 (農林環境科学科 森林科学講座、2号館314号室) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農林環境科学科 森林科学講座 森林管理技術学コース2年次 森林科学講座 総合森林学コース2年次 | 講座科目 必修 | 前期 | 2単位 |
農林環境科学科 地域マネジメント学講座年次指定無し | 講座外科目 選択 |
■授業の目標 |
樹木は,木材やパルプのほか燃料や家畜飼料としても利用され,また有用な化学成分を多く含み,人間生活に欠かすのできない資源です.また,地球規模で環境破壊が進む今日,森林を構成する樹木の営みは,環境を保全するうえできわめて重要な存在でもあります。農林環境科学における樹木の取り扱いでは,まず多種多様な樹木を生物種として分類する基礎を身につける必要があります。そのうえで樹木が育つ環境と生理を学び,資源生産や環境保全に役立てるための材料として理解を深める必要がああります。したがって,樹木の分類と樹木の育て方や殖やし方の基本を学ぶのが本授業の目標です。 |
■概要と計画 |
授業は,二つの分野から構成されています。第1分野は分類学,第2分野は種苗・育種学です。樹木の見方,分類の要点を学んだ後,樹木の種子や苗の基礎,育て方・殖やし方,そして林木育種について学びます。 第1回 分類の基礎(1)生物種,分類群カテゴリー 第2回 分類の基礎(2)通称名と学名,命名法 第3回 同定の基礎(1)葉の着生様式,葉序,葉形,その他の葉の特徴 第4回 同定の基礎(2)花の構造,花序 第5回 同定の基礎(3)針葉樹の球果,広葉樹の単果と複果 第6回 同定の基礎(4)長枝と短枝,芽,葉痕・托葉痕,皮目,髄,樹皮 第7回 樹木の生活環(1)無性世代と有性世代,生殖過程 第8回 樹木の生活環(2)開花・結実の制御,成長調節物質 第9回 種子(1)採取,調整,貯蔵,休眠・発芽の生理 第10回 種子(2)発芽促進,品質検査,芽生えの生理 第11回 育苗(1)苗畑管理,播種,床替え,間引き,育苗規準,栄養生理 第12回 育苗(2)気象害と生物害,防除法 第13回 育苗(3)無性繁殖法,バイオテクノロジー 第14回 林木育種(1)目的,方法,採種園と採穂園 第15回 林木育種(2)林木育種事業,遺伝資源の保全 |
■教室外の学習 |
授業に合わせ指針や内容を要約した資料を配付します。予習や復習など自学に役立ててください。配付資料については,試験の際に持ち込みを許しますので,日頃から内容の整理に心がけてください。質問は,いつも大歓迎です。教室でも教官室でも随時受け付けますが,教官室へはオフィス・アワーにくるのをすすめます。 |
■教科書、参考書 |
教科書は使用しない.参考書としては,「樹木の生長と環境」(畑野健一・佐々木恵彦編著,養賢堂),「樹木環境生理学」(佐々木恵彦・永田 洋編,文永堂),「造林学−基礎理論と実践技術」(佐々木恵彦ら,川島書店)があり,図書館に所蔵されています。 |
■授業の形式 |
配付資料にそって講義をおこないます。配付資料はきれいでわかりやすいものをつくるよう,心がけています。森林や樹木の実際の姿をたくさん知ってもらうため,プロジェクターを使っての授業になります。しかし,やや難しい内容については,黒板を使ってていねいに説明します。 |
■成績評価の方式 |
毎回,出席をとります。1〜2回,レポートを課します。中間試験と期末試験をおこないます。試験前にあらかじめ,出題範囲や分野について十分説明します。出席状況20点,レポート20点,中間試験30点,期末試験30点,合計100点で評価します。60点以上を合格(優:80点以上,良:79〜70点,可:69〜60点)とします。再試験はおこないません。 |
■履修に当たっての留意点 |
森林造成学に連携する授業です。オフィス・アワーは月曜日16時30分から18時です。 |