■担当教官(所属、所在) |
西澤 直行( (農業生命科学科・食品健康科学講座 食品健康科学講座、4号館3階) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農業生命科学科 食品健康科学講座3年次 | 講座科目 選択 | 後期 | 2単位 |
■授業の目標 |
食品には、生きていくために必須の栄養素としての働きがありますが、その必須栄養素の機能では説明できない働きがあります。これらは、もはや栄養学、栄養化学、食品化学あるいは食品学というよりは、食品機能学という新しい学問分野になっています。例えば, 大豆蛋白質や, 食物繊維の 血中コレステロ―ル濃度低下作用や豆腐などの大豆食品のイソフラボンの抗がん、骨粗しょう症抑制機能や赤ワインのポリフェノ-ルの抗酸化機能、はその典型といえます。このような食品の生体調節作用を、摂取された食品の成分の生体との間のダイナミックな相互の意味を包含しより的確な食品の働きを表現するために、食品の「機能」と提唱した。この健康に機能する成分は、機能性食品成分、素材と呼ばれる。日本は、世界に先駆けて「機能性食品(functional food)」のコンセプトを世界に発信した。またごく最近、食品機能学は、ヒトゲノム遺伝子解読の完了を背景に、DNA microarrayの手法を利用した食品が健康に機能する遺伝子を探求する、新たなnutrigenomics(ニュートリゲノミクス)を誕生させ、食品研究・新食品開発に新たな展開を促している。「食品機能学」とは、このような食品のダイナミックな研究分野であり、その研究の成果は産業として、厚生労働省認可の特定保健用食品、いわゆる機能性食品になっており、現在、およそ450品目の商品が売り出されている。この授業では食品の健康機能と機能性食品について修得することを目標とする。 |
■概要と計画 |
〈 主な授業の流れ 〉食品の機能性とは、からだを守るしくみ ←ビデオ--->食品と免疫・アレルギー --->脂質代謝改善機能--->肝障害改善機能--->消化器官機能、Pre.Probioticsの機能研究--->骨代謝・骨粗鬆症抑制機能(食品カルシウム・イソフラボン)←ビデオ、スライド--->糖尿病予防機能←ビデオ、スライド--->肥満予防機能←ビデオ、スライド--->DNA microarray・nutrigenomics--->機能性食品 上記に示した授業の流れに沿って授業を行う。まず、生活習慣病、すまわちコレステロ-ル代謝・動脈硬化症、骨粗鬆症、肥満、免疫賦活、抗アレルギ―、ガン予防などの機能性とは何かを学ぶ。また、どのように方法で機能性を探索するのか、試験管内や培養細胞を用いた方法や動物実験やヒトでの実際の効果を実証する方法を学ぶ。次に、豆腐などの大豆食品の血中コレステロ-ル低下作用や、赤ワインのポリフェノ-ルの抗酸化機能、ヨーグルトの機能性、魚の油のEPA, DHAなど食品と素材ごとの機能性について学びます。更に最近、DNA microarrayの手法を利用した食品の健康に機能する遺伝子を探求する、新たなnutrigenomics(ニュートリゲノミクス)について学びます。最後に、機能性食品について学びます。関連科目は、栄養健康科学、地域資源健康論である。 |
■教室外の学習 |
ス-パや商店での食品の栄養表示や機能性の表示範囲を確認しましょう |
■教科書、参考書 |
「機能性食品と健康」藤巻著, 裳華房;「食品機能学」青柳康夫編著, 建帛社;「細胞増殖のしくみ」井出著, 共立出版;「食と健康 I」日本栄養・食糧学会監修,学会出版センタ-;「食品と生体防御」村上, 上野川編, 講談社;「からだと免疫のしくみ」 上野川著 日本実業出版社 |
■授業の形式 |
講義は, 黒板授業ばかりでなく理解をしやすいようにスライドやビデオを使って行い、また逐次質問発言、討論を求めて問題の理解を深める。さらに、実際の研究成果を紹介つつ, 進めます。 |
■成績評価の方式 |
日常点60%[出席(2/3未満の者には単位を与えない)と講義ノ-トの提出(講義の内容を理解して論理的に整理しているか),遅刻していないか, 講義に集中しているか、質疑への対応,中間試験, 宿題]と期末試験40%の合計で評価する。居眠りは出席点にならない。漫然とした受講ではいけません。 |
■履修に当たっての留意点 |
記参考書に加えて、講義ごとに更に学習書や資料を紹介するので、積極的に活用すること。 |