食用作物学 I

担当教官(所属、所在)
黒田 栄喜 (農業生命科学科 植物生産学講座、2号館1階103号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 植物生産学講座2年次
講座科目
必修
後期2単位

授業の目標
 日本および世界における食用作物の生産状況およびその栽培に関する問題点を把握させ,作物生産の向上と安定に関わる作物学の基礎を学習する.
 本講義では具体的な作物として主にイネを例に,作物の起源と進化,形態形成,光合成と物質生産および収量成立過程の基礎を講義する.これらによって,作物の生育および栽培に関する基礎的知識を涵養する.

概要と計画
 わが国の主要な食用作物の一つであるイネについて取り上げ,その発育過程および収量成立過程に関する理解を深めるために,イネの形態的特徴と生理・生態的特徴について具体的に講義する.
 さらに,イネの栽培および米の食味特性に関する基礎について解説する.

授業計画:
第1〜2週 イネの起源,進化,伝播および品種の分類
第3〜4週 イネの品種とその特性および コメの品質:
・食味特性の評価と食味に関与する要因.
・米の貯蔵と用途.
第5〜9週 イネの形態的特徴:
・諸器官の外部形態と内部形態およびその形成過程.
・諸器官の発育過程とその規則性.
第10〜13週   イネの生理・生態的特徴:
・各生育過程における生長と光合成・物質生産.
・収量構成要素と収量の成立過程.
第14〜15週  イネの生育と環境および栽培管理:
・気象災害の種類とその被害.
・気象災害の発生メカニズムとその対策

教室外の学習
 本講義では,配布したプリントを中心に講義をすすめるが,石井龍一他共著の”作物学(T)−食用作物編−”と”植物生産生理学”,星川清親著”解剖図説 イネの生長”および堀江武他共著の”作物学総論”その他多数の参考書・専門書が出版されているので,予習・復習を十分して欲しい.

教科書、参考書
作物学(T)−食用作物編−: 石井龍一他共著,文永堂,4,000
解剖図説 イネの生長 : 星川清親著,農文協,
作物学総論 : 堀江 武編,朝倉書店,4,000
植物生産生理学 : 石井龍一編,朝倉書店,3,500
植物生理学-分子から個体へ-:幸田泰則他共著,三共出版,2,600
イネゲノムが明かす日本人のDNA:村上和雄,家の光協会,1,500
稲学大成 全3巻 : 松尾孝嶺編,農文協,
その他

授業の形式
講義内容に即して作成したプリント,スライドおよび関連する参考図書を用いて講義をすすめる. 

成績評価の方式
講義内容に関連する2〜3回の小テスト/レポートと学期末試験および出席点をもとに評価する.ただし,評価は理解度を重視する.  

履修に当たっての留意点
出席は原則として毎時間とる.学期末の試験は,資料等の持ち込み可で行う.
質問は,授業中および教官室(2号館,103号室)で随時受けつける.