地域マネジメント学概論

担当教官(所属、所在)
木村伸男 (農林環境科学科 地域マネジメント学講座、2号館)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 地域マネジメント学講座2年次
講座科目
必修
前期2単位
農林環境科学科
 リサイクル生物生産工学講座年次指定無し
講座外科目
選択

授業の目標
 農業地域は生産の場、生活の場であり、生態環境の場である。そうした地域が、経済発展の過程で変貌を余儀なくされ、生産が後退し、生態環境も悪化し、地域社会の維持が困難になりつつある。こうした状況のもとで地域社会の活性化、地域資源問題が国民的課題となり、地域マネジメントの必要性が高まってきている。
授業では農村地域を対象に地域と地域資源の捉え方とその管理の仕方について基礎知識を習得させ、持続的な農村地域の形成、地域資源の国民的な利用のあり方を学ばせる。


概要と計画
 まず、地域マネジメントが必要になった背景を明らかにする。そして、人間と地域との関わり、地域資源の意味を述べ、地域資源の公益的な機能を説明する。次に、高度経済成長以前の地域資源管理のあり方、その原像を明らかにし農業生産の地域的なあり方を述べる。また現代において地域管理主体別に地域資源利用のあり方を実態に即して述べ、最後に持続的農業地域の形成について述べる。

授業計画
1.地域マネジメントの背景 (第1-2回)
 1)農業・農村の変貌と地域資源問題の発生
 2)国民的課題としての地域資源問題
2.人間と地域、資源 (第3-4回)
 1)人間と自然、地域の現代的意味 
 2)資源、地域資源とは何か
 3)地域資源の公益的機能
3.地域資源管理の原像 (第5-6回)
 1)農業の資源管理システム 
 2)水田、畑作農業、山村農業の地域資源管理
4.現代の管理主体と地域資源管理(第7-10回)
 1)営農組織、地域営農集団 
 2)農業法人の資源管理
 3)農業サ−ビス事業体、第3セクター
5.地域的管理の経済性     (第11-12回)
 1)市場取引と組織取引の経済性 
 2)地域営農活動のメリットとデメリット
 3)地域資源の私的利用と公的利用
6.持続的農村地域の形成   (第13-15回)
 1)地域住民の地域づくり、資源利用 
 2)都市と強制した地域づくり、資源活用

注)講義内容は多少変更することがある。

教室外の学習
予習、復習に努めるほか、新聞などで関連の記事を読むように心がけること。

教科書、参考書
テキストは使用せず、プリントで行う。参考図書は永田恵十郎著『地域資源の国民的利用』(農文協)、酒井惇一著『農業資源経済論』(農林統計協会)がある。

授業の形式
可能な限り具体的に述べ、講義で行う。

成績評価の方式
学期末の試験及び随時問題を課して評価する。 試験での評価は70%とし、小テストを30%とする。

履修に当たっての留意点
本科目の履修に当たっては、「食料・農業・農村白書」を読んでおくことが望ましい。