畜産各論 (乳牛論)

担当教官(所属、所在)
野沢 日出夫(農業生命科学科 非常勤講師)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 動物科学講座3年次
講座科目
選択
前期0.5単位

授業の目標
 明治政府が国策として日本人の体位向上に資するべく畜産振興を図ろうとしたことに端を発する日本の畜産、主として「酪農」の歴史と、日本の風土国情にあった乳牛の選抜と改良について理解し、諸外国との酪農形態の相違について考察する。特に、第2次大戦後の急速な酪農事業の普及、近年の酪農情勢、世界での位置付け等について理解し、将来の日本の酪農について進むべき方向を自ら考える素地とする。

概要と計画
 1.日本の酪農の変遷
  @)小岩井農場の成り立ちと歴史(創業112年)
  A)戦後の酪農振興における先進的酪農家の役割 
  B)乳牛改良に貢献した先進的な酪農家(ブリーダー?)
  C)家畜改良事業団の設立
  D)酪農品の輸入自由化と日本の酪農情勢他
  2.国外の酪農(対照的な2国の事例他)
  @)ニュージーランドの酪農事例:草地利用、放牧主体の酪農
A)イスラエルの酪農事例:集約的、購入飼料依存型酪農。世界最高の平均乳量生産
  B)オランダ、ドイツ、アメリカ(カルフォルニア)、カナダ、英国等の事例他
  3.小岩井農場の酪農経営
  @)繋留式牛舎・パイプライン搾乳システム(2棟・165頭)
  A)フリーストール牛舎・ヘリンボーンタイプ搾乳システム(470頭)
B)自家生産飼料主体(乾牧草・コーンサイレージ・グラスサイレージ・ベイレージ)飼料計算モデル
  C)牛群検定による牛固体成績把握、生乳生産原価計算
D)防疫衛生、繁殖、クローン、ET技術の活用 
E)搾乳におけるHACCPシステムの導入
F)「安全・安心・素性明らか+質の高さ」による差別化他

教室外の学習
希望者があれば、別途小岩井農場の事例見学を実施して理解を深める。

教科書、参考書
 講師が準備する。
 ・小岩井農場概要・イスラエル酪農視察記・ドイツ及びオランダ有機農業視察記・飼料計算事例・生乳生産原価計算  事例・HACCPシステム事例・牛群検定成績表等

授業の形式
 集中講義とする。
 プリント・スライド・パワーポイント等を使用する。

成績評価の方式
 レポ−トにより理解度を評価する。(課題は当日指示する)

履修に当たっての留意点
 質問は授業中、休憩中随時受ける。