熱工学

担当教官(所属、所在)
小出章二 (農林環境科学科 リサイクル生物生産工学講座、1号館322号室 )

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 リサイクル生物生産工学講座2年次
講座科目
必修
後期2単位

授業の目標
 加熱,空調,冷凍,内燃機関などは熱工学の知識が必要となることが多い。即ち,熱工学が多くの技術系企業で必要とされる所以である。この熱工学とは熱力学,空気調整工学,伝熱学等の熱に関する工学的分野の学問の総称である。
 本講義は,はじめにエネルギー変換や熱移動についての基礎を扱い,エネルギー変換や熱移動におけるエンタルピー,エントロピーに関する概念,および湿り空気線図等の読み方を理解させ,熱を中心とした物理的論理能力をつけさせることを目標とする。更に本講義では,物理化学,化学熱力学,機械熱力学,生物物理化学,食品加工の熱力学にも応用できるように努める。

概要と計画
[概 要]
 熱力学は広くエネルギーの基本法則として,また物質変化の方向を決める基本法則として科学の根底をなしている。しかし,熱力学(熱工学)は概念的に分かりにくい熱を定量的に扱い,方法論として数学を用いるので,初心者は学ぶのに抵抗があるのでは,と考える。しかし,3年次以降の工学系講義にて,単位操作等を学ぶとき,必要な学問でもある。
 よって,講義では,熱力学的概念を分かりやすい例に例えたり,熱力学的現象論を図示したり,熱力学にかかわる時事問題を紹介することにより,熱工学に対する基礎的な素養を出来るだけ分かりやすく与えることを目的とする。
 講義計画は,以下を考えている。

[授業計画]
@ 熱とエネルギー(SI単位系)
A 熱力学の第一法則
B 理想気体とは
C 熱力学の第二法則
D エントロピーとは
E 理想気体のサイクル
F 蒸気
G 湿り空気線図
その他

教室外の学習

教科書、参考書
ガイダンス時に指定するが,以下を予定している。
教科書:工業熱力学,斎藤孟・小泉睦男,共立出版,2,750円

授業の形式
通常の講義形式であるが,理論だけでなく,講義中に計算させ,式の扱い方と計算能力を修得させる。

成績評価の方式
成績評価:出席50点,テスト50点

履修に当たっての留意点
 本講義履修者は,関数付き電卓(2,000円程度のものでよい)を携帯すること。したがって,基礎物理学演習(1年次)や同実験(2年次)で購入する電卓は関数付き電卓とすることが望ましい。