美味学

担当教官(所属、所在)
長澤孝志 (農業生命科学科 食品健康科学講座、4号館308号室)
三浦 靖 (農業生命科学科 食品健康科学講座、5号館2階204号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 食品健康科学講座3年次

農林環境科学科
 地域マネジメント学講座
講座科目
選択
後期2単位

授業の目標
 ヒトは視覚,聴覚,嗅覚,味覚,体性感覚(触覚,圧覚,温度覚)によって総合的に食品の「おいしさ」を知覚,評価している。美味学(gastronomie)とは,食品の「おいしさ」にかかわる科学である。したがって,美味学では細胞生物学や生理学などの生物学関連科学,神物理学や計量心理学などの心理学関連科学,ケモメトリックス(計量化学)などの化学関連科学,認識工学や計測工学,感性工学,人間工学などの工学関連科学,人間学や社会学、哲学などの社会科学などについての知識も要求される。 本科目では,五感の感覚情報と食品特性の知覚・認識,食品の「おいしさ」の判定過程を修得することを目標とする。

概要と計画
 五感の知覚・認識、食品の「おいしさ」の判定過程を解説する。
 第1回 食品の「おいしさ」とは
 第2回 視覚と色、形状の認識
 第3回 嗅覚と香りの認識
 第4回 味覚と味の認識(1):味覚物質の化学
 第5回           (2):味覚生理学1
 第6回           (3):味覚生理学2
 第7回           (4):味覚生理学3
 第8回 食品テクスチャーとは何か
 第9回 おいしさと食品テクスチャー
 第10回 食品テクスチャーの評価(1):化学的評価
 第11回 食品テクスチャーの評価(2):物理的評価
 第12回 食品テクスチャーの評価(3):構造論的評価,官能評価
 第13回 食品テクスチャーと健康
 第14回 食文化と食品テクスチャー
 第15回 成績評価

教室外の学習
講義前にテキストや教材を用いて当該内容を必ず予習すること。

教科書、参考書
教科書:「食品学総論」(吉田,早瀬編著),「光琳選書C食品とテクスチャー」(川端晶子編著,光琳,2003年)
参考書:「21世紀の調理学3 美味学」(増成隆士・川端晶子編著,建帛社,1997年),「グルメの話 美味しさの科学」(伏木亨著,恒星出版,2001年),「美味しさの科学」(山野善正・山口清子編,朝倉書店,1994年),「うま味の文化・UMAMIの科学」(山口清子著,丸善,1999年),「調理科学講座1 調理とおいしさの科学」(島田淳子・下村道子編,朝倉書店,1993年),「味とにおいの分子認識」(日本化学会編,学会出版センター,1999年),「サイコレオロジーと咀嚼-食べ物のおいしさ - その文化と科学」(日本咀嚼学会監修,建帛社,1995年),「食品のテクスチャー評価の標準化」(日本食品科学工学会監修,光琳,1997年),「おいしさを測る -食品官能検査の実際」(古川秀子著,幸書房,1994年),「脳・心・コンピュータ」(日本物理学会編,丸善,1996年)など。

授業の形式
講義を主体とするが,必要に応じてOHP,VTR等を利用する。

成績評価の方式
平均点(出席状況,授業態度)50点と学期末筆記試験50点とを合計し,60点以上を合格とする。

履修に当たっての留意点
本科目は生理学分野と情報処理工学分野の学際領域を取り扱う。教科書のうち「食品学総論」は,2年次前期「食品化学」で用いたものである。