■担当教官(所属、所在) |
立石貴浩 (農業生命科学科 植物生産学講座、4号館1階104) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農業生命科学科 植物生産学講座2年次 | 講座科目 選択 | 後期 | 2単位 |
農業生命科学科 生物機能科学講座3年次 食品健康科学講座年次指定無し | 講座外科目 選択 |
■授業の目標 |
土壌は、植物生産の基盤としての機能を持っていると同時に、地球上の元素循環の主要な部分を担うだけでなく、われわれヒトを含む生物の生息環境を恒常的に保つ働きも持っている。これらの働きは、土壌の理化学的性質だけでなく、土壌の生物性や生化学性に大きく依存している。近年持ち上がっている環境問題は、土壌の生物性や生化学性とも密接に関連しており、これらの特性を生かした環境修復技術の開発も試みられている。本講義では、土壌環境のみならず水圏を含めた自然環境に対しても焦点をあて、それら環境に生息する微生物の働きを様々な視点から紹介する。 |
■概要と計画 |
導入として、生物の中での微生物の位置づけ、微生物の種類、代謝、生活様式の多様性に関する基礎的な内容を説明する。次いで、地球規模でみた物質循環とそれに関わる微生物の働きについて触れる。さらに、近年農薬や環境ホルモンといった人工的に合成された化学物質は生物や生態系に深刻な影響を及ぼしているが、そのような人為的な環境汚染と微生物の有用な機能を活用した環境修復に関する内容を紹介する。 第1回 生物の中での微生物の位置づけ 第2回 土壌微生物の生息環境(土壌とは?) 第3回 土壌微生物の種類 第4回 微生物の代謝 第5回 微生物の基質とエネルギーの獲得様式 第6回 自然環境における物質循環と微生物1(炭素循環) 第7回 自然環境における物質循環と微生物2(窒素循環) 第8回 自然環境における物質循環と微生物3(リン、イオウの形態変化) 第9回 自然界での微生物の遷移 第10回 微生物と植物との相互関係 第11回 微生物による合成化学物質の分解 第12回 地球環境の汚染と微生物による自然浄化作用 第13回 微生物の機能を利用した環境修復 第14回 地球温暖化と微生物 第15回 試験 |
■教室外の学習 |
特に指定しない。 |
■教科書、参考書 |
教科書は使用しない。参考書:土壌生化学(木村ほか、朝倉書店)、新・土の微生物 第1巻〜第10巻(日本土壌微生物学会編)、微生物科学 第4巻(生態)(柳田著、学会出版センター)、地球生態学(和田著、岩波書店)、微生物生態入門(服部著, 東大出版会)、土の微生物学(服部・宮下著、養賢堂)、土壌微生物生態学(朝倉書店)、入門生物地球化学(山中著、学会出版センター) |
■授業の形式 |
講義を主体とする。 |
■成績評価の方式 |
出席状況、毎回実施する設問の回答、期末試験の結果で総合的に評価する。 |
■履修に当たっての留意点 |
本講義の内容の理解を深める上で、微生物概論・微生物生理機能学の履修、および化学、生化学、分子生物学などの知識をある程度理解していることが望ましい。講議開始時に設問の回答用紙を兼ねた出欠票を配付する。 |