獣医寄生虫学実習

担当教官(所属、所在)
板垣 匡 (獣医学科 応用獣医学講座、農学部6号館4階)
青木美樹子 (獣医学科  応用獣医学講座 、農学部6号館4階 )

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
獣医学科3年次学科共通科目
必修
後期1単位

授業の目標
家畜寄生虫学総論および各論で学習した寄生虫種の中から重要度の高いものについて、標本または生鮮虫体を用いてその形態学的特徴を観察し、将来獣医師として遭遇することになる様々な寄生虫の分類、同定する基礎を実習すること、さらには寄生虫感染症を検査、診断するための方法を実習することを目的としている。

概要と計画
授業の概要実習の前に観察する寄生虫の形態学的特徴をスライド、標本を使って説明する。寄生虫の観察は光学顕微鏡、実体顕微鏡を用いて細部形態まで行なう。実習には、出来る限り生きている寄生虫体を観察させている。
授業計画 
第1回 感染動物からの寄生虫の採集 
第2回 吸虫類の圧平染色標本の作製法 吸虫類の形態観察1. 双口吸虫、槍形吸虫 
第3回 吸虫類の形態観察2. 肝蛭 中間宿主貝の観察  
第4回 条虫類の染色標本の作製法  条虫類の形態観察1. マンソン裂頭条虫  
第5回 条虫類の形態観察2. 犬条虫 
第6回 嚢虫の形態観察: 単包虫、多包虫、擬嚢尾虫 
第7回 線虫類の透化標本の作製法 線虫類の形態観察1. 捻転胃虫 
第8回 線虫類の形態観察2. 馬の円虫類     
第9回 住血原虫の血液塗抹標本法と形態観察:ピロプラズマ、トリパノソーマ 
第10回 原虫類の形態観察:トキソプラズマ、コクシジウム  
第11回 寄生虫検査法1. 筋肉トリヒナ 
第12回 寄生虫検査法2. 犬糸状虫のミクロフィラリア 
第13回 寄生虫検査法3. 虫卵検査法 
第14回 寄生虫検査法4. 虫卵培養法 
第15回 寄生虫検査法5. 免疫血清診断法

教室外の学習
実習の計画表を予め配付するので実習前に講義で用いたプリントや教科書等で十分に予習すること。

教科書、参考書
テキスト:獣医寄生虫検査マニュアル(今井壮一、神谷正男、平 詔亨、茅根士郎著、文永堂)
参考書:家畜臨床寄生虫アトラス(平詔亨、藤崎幸蔵、安藤義路著、チクサン出版)
寄生虫実験法( A. J. MacInnis and M. Voge 著、小林瑞穂他訳)    
寄生虫研究の実際(横川 定、横川 宗雄著、杏林書院)

授業の形式
寄生虫の生鮮虫体または標本を顕微鏡を用いて観察し、スケッチする。スケッチブックは毎時間提出させる

成績評価の方式
実地試験を行う。さらに出席状況並びにスケッチから観察力、理解度を総合的に評価する。

履修に当たっての留意点
毎時間出席をとる。白衣着用、スケッチブック持参、獣医寄生虫学IおよびIIで配付したプリントを持参のこと。