■担当教官(所属、所在) |
塚本知玄 (農業生命科学科 食品健康科学講座、農学部4号館3階301室) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農業生命科学科 食品健康科学講座3年次 | 講座科目 必修 | 前期 | 2単位 |
農業生命科学科 動物科学講座3年次 | 講座外科目 選択 |
■授業の目標 |
日本が世界一の長寿国となった原因の一つは,戦後の衛生環境の飛躍的改善があげられる。食品分野に関しても,貯蔵加工法の進歩や広域物流システムの構築等により食中毒が激減した。しかしその一方で,新技術利用と国際化社会に起因する新たな諸問題が発生し,安全で安心な食生活を求める動きが活発となってきている。 本授業は,栽培(増殖),生産,製造から最終消費に至るまでの過程で起こりうる食品由来の危害因子の理解を通じ,食品の安全性や健全性を確保するための手段や方法を考えるための基礎知識を身につけることを目標とする。 |
■概要と計画 |
第1・2回 1.食品衛生の概念と食中毒発生状況 第3・4回 2.自然毒食中毒(動物性自然毒,植物性自然毒) 第5・6回 3.微生物による食中毒 a.サルモネラ菌 b.ブドウ球菌 c.ボツリヌス菌 d.ビブリオ菌 e.腸管出血性大腸菌 f.ウエルシュ菌 g.セレウス菌 h.その他の細菌 i.ウイルス 第7回 4.食品汚染指標菌と食品の腐敗判定 第8回 中間試験(45分間)並びに解説 第9回 5.寄生虫感染(魚介類由来,肉類由来,生野菜類由来,水由来) 第10・11回 6.食品添加物(規格と基準,安全性評価,表示) 第11・12回 7.有害物質による食品汚染(カビ毒,農薬,ダイオキシン等) 第13回 8.食品の表示(品質,添加物,期限,栄養,原産地,その他) 第14回 9.その他(HACCP,他) 第15回 期末試験(45分間)並びに解説 |
■教室外の学習 |
1.予習課題 市場に出回っている各種食品について日頃から関心を向け,食品の表示内容(品名,原材料等)や販売状況(温度,賞味期間等)を確認しておくこと。 2.復習課題 授業で出た内容についてあらためて市場の各種食品を観察し,食品の安全性・健全性を確保するための手段や方法の実状を確認すること。 |
■教科書、参考書 |
<テキストと教材> 必要な資料等は,その都度,授業時間に配布・回覧する。 <参考図書> 「食品衛生学」緒方正名他著 朝倉書店(2002)¥3000 「食品衛生学 改訂版」廣田才之編 共立出版(2000)¥3000 |
■授業の形式 |
講義は対話形式で進める。受講者全員に毎回質問する。 |
■成績評価の方式 |
<方法> 中間試験+期末試験+授業の成績(出席点+授業中の質疑応答内容)の総合得点で評価する。授業の成績点は,期末試験の前に各自に連絡する。 <基準> 総合得点80点以上は優,79〜70点は良,69〜60点は可,59点以下は不可。 |
■履修に当たっての留意点 |
1.基礎生化学,食品化学,微生物学概論を予め履修し理解しておくことが望ましい。 2.絶えず新しい技術や方法が開発されるため,必ずしも前年と同じではないので注意すること。 3.オフィスアワー(火曜日,10:30〜12:00) |