■担当教員(所属、所在) |
三浦 靖 (農業生命科学科 食品健康科学講座、1号館1階115号室) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農業生命科学科 食品健康科学講座3年次 | 講座科目 必修 | 前期 | 1単位 |
■授業の目標 |
食品工学(food process engineering)とは,食品に本来的に具備している栄養的・嗜好的価値を損なうことなく食品を加工,包装,保蔵,流通するための種々の単位操作ならびにその連結系の効率を,物質的かつエネルギー的に高めることを目的とする応用科学である。本科目では,2年次前期開講の「食品工学」および3年次後期開講の「食品物理学」で学んだ方法論および基礎的知識をもとに,食品加工に携わる技術者としての工学的センスを修得することを目標とする。また,実験レポート作成を通して科学技術報告書の作成能力を養う。 |
■概要と計画 |
食品工学における単位操作(技術単位)を広く理解するために,多項目の実験を行って実験レポートを作成する。 第1回 ガイダンス(食品工学とは,実験の心得,レポートの書き方) 項目Aの解説 第2回 項目B〜項目Eの解説 第3・4回 項目A:食品の力学的物性:破断特性の測定・解析 第5・6回 項目B:食品素材の加工特性:小麦粉(水蒸気膨化:スポンジケーキ) 第7・8回 項目C:食品素材の加工特性:油脂(乳化:フレンチドレッシング) 第9・10回 項目D:食品素材の加工特性:エマルション(起泡:ホイップクリーム) 第11・12回 項目E:官能検査:味覚による実験(味覚の閾値,5味の識別) 3点比較法(3点識別試験法) セマンティック・ディファレンシャル(SD)法 第13〜15回 まとめ |
■教室外の学習 |
講義前にテキストを用いて必ず予習すること。 |
■教科書、参考書 |
テキスト:「調理科学実験」(大羽和子・川端晶子編著,学建書院,2003年) 参考書:「食品工学入門−食品製造・保存の考え方−」(熊谷 仁ら,アイ・ケイコーポレーション,2005年),「食品工学ポケットブック」(種谷真一,工業調査会,1994年),「食品工学・生物化学工学ー科学的・工学的ものの見方と考え方」(矢野俊正,丸善,1999年),「基礎食品工学」( 林 弘通ら,建帛社,1996年),「物理化学による化学工学基礎」(川合 智ら,槇書店,1996年),「食品の科学4 食品物理化学」(松野隆一・矢野俊正編,文永堂出版,1996年),「食品の物理」(種谷真一,槇書店,1989年),「食品物理学」(林 弘通,養賢堂,1989年),「機械工学入門講座2 流体力学」(杉山 弘ら,森北出版,1996年),「機械工学選書 伝熱工学」(相原利雄,裳華房,1994年),「食品加熱の科学」(渋川祥子編,朝倉書店,1996年) ,「低温環境下の伝熱現象とその応用」(福迫尚一郎ら,養賢堂,1996年),「粉体技術ポケットブック」(林 恒美編著,工業調査会,1996年),「食品用乳化剤−基礎と応用−」(戸田義郎ら編,光琳,1997年)など。 |
■授業の形式 |
実験の前に実験内容の原理,手順,操作の要点を解説する。2〜3人の少人数グループで実験を行う。次回の実験日までに実験レポートを提出させる。 |
■成績評価の方式 |
平常点(出席状況,授業態度)40点と実験レポート60点とを合計し,60点以上を合格とする。 |
■履修に当たっての留意点 |
本科目は2年次前期の「食品工学」および「レオロジー」,3年次後期の「食品物理学」での授業内容を基礎とするので両科目を履修しておくことが望ましい。実験の直接の指導にはティーチングアシスタントを採用する。 オフィスアワー(月曜日,8:00-10:30,農学部1号館1階115号室) |