食品生産システム学

担当教員(所属、所在)
三浦 靖 (農業生命科学科 食品健康科学講座、1号館1階115号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 食品健康科学講座4年次
講座科目
選択
後期2単位

授業の目標
 食品の製造は,製品企画,製品設計,生産計画,工程計画,原料・包装材等の調達,受け入れ検査,保管,加工,評価,検査,出荷などの各ステップから構成される一連のシステムである。食品生産システム学は,食品を対象にした生産システム工学(manufacturing systems engineering)である。したがって,食品生産システム学ではシステム工学,オペレーションズ・リサーチ(OR),制御工学,情報工学,経済工学,生産経済学などについての知識が要求される。本科目では,食品製造における種々の管理,知的財産,環境科学に関わる基礎知識を習得し,食品製造に携わる技術者としての生産システム工学的およびESD(持続可能な開発のための教育,Education for Sustainable Development)的なセンスを身につけることを目標とする。

概要と計画
 食品製造における各種の管理,知的財産,環境科学について解説する。
 第 1回 食品の製造:食品の加工・保蔵,システムの捉え方
 第 2回 生産のプロセスシステム:物と情報の流れ
 第 3回 生産のマネジメントシステム(1):製造管理@:製品設計,工程計画,レイアウト設計
 第 4回 生産のマネジメントシステム(2):製造管理A:オペレーションズリサーチ(OR)
 第 5回 生産のマネジメントシステム(3):品質管理(QC):品質保証(PL法),ISO 9000s
 第 6回 生産のマネジメントシステム(4):衛生管理@:食品の安全性
 第 7回 生産のマネジメントシステム(5):衛生管理A:HACCP方式,ISO 22000s
 第 8回 生産のマネジメントシステム(6):衛生管理B:リスクマネジメント,リスクアセスメント,リスクコミュニケーション
 第 9回 生産のマネジメントシステム(7):環境管理:ISO 14000s
 第10回 生産のマネジメントシステム(8):原価管理:原価,利益計画,損益分岐計画,設備投資計画
 第11回 知的財産(1):工業所有権(特許権,実用新案権,意匠権,商標権),著作権,トレードシークレット,ノウハウ
 第12回 知的財産(2):特許権@:特許制度
 第13回 知的財産(3):特許権A:特許の出願から権利期間満了まで
 第14回 ESDに根ざしたモノ創り:環境保護・保全,開発,7R
 第15回 評価

教室外の学習
講義前に教科書と予め配布する資料を用いて当該内容を必ず予習すること

教科書、参考書
教科書:「特許の基礎知識(改訂5版)」(佐藤秀一ら,オーム社,2001年)
教材:配布資料
参考書:「情報・技術経営シリーズ2 製品・技術開発概論」(菅澤喜男ら,コロナ社,2000年),「入門編 生産システム工学 第2版」(人見勝人,共立出版,2000年),「食品工学基礎講座 12:食品システム論」(矢野俊正・桐栄良三監修,光琳,1989年),「生産工学入門」(岩田一明監修,NEDEK研究会編,森北出版,1997年),「機械系 大学講義シリーズ 31:システム工学」(足立紀彦ら,コロナ社,1996年),「生産管理 理論と実践 12:オペレーションズ・リサーチ」(中川覃夫ら,日刊工業新聞社,1995年),「シリーズ・経営情報システム 3:生産情報システム」(太田雅晴,日科技連出版社,1994年),「環境科学要論−現状そして未来を考える−(第2版)」(世良 力,東京化学同人,2004年),「改訂フードスペシャリスト論」(日本フードスペシャリスト協会,光琳,2002年)など。

授業の形式
実践的な講義を主体とする。必要に応じてOHPやVTRを利用する。

成績評価の方式
平常点(出席状況,授業態度)50点と学期末筆記試験50点とを合計し,60点以上を合格とする。

履修に当たっての留意点
食品産業(製造業,サービス業)に就職する場合には本科目を履修しておくことが望ましい。
本科目は,文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」における採択課題「各学部の特性を生かした全学的知的財産教育」を兼ねている。
オフィスアワー(月曜日,8:00-10:30,農学部1号館1階115号室)