■担当教員(所属、所在) |
國崎貴嗣 (農林環境科学科 森林科学講座、2号館415室) |
■対象学生 | 科目の種別 | 開講学期 | 単位数 |
農林環境科学科 森林科学講座 総合森林学コース3年次 | 講座科目 選択 | 前期 | 2単位 |
農林環境科学科 森林科学講座 森林管理技術学コース3年次 | 講座科目 必修 | ||
農林環境科学科 地域マネジメント学講座年次指定無し | 講座外科目 選択 |
■授業の目標 |
森林施業計画は,木材生産を含む多目的機能の発揮を目的として,数十ヘクタールから数万ヘクタールに及ぶ森林のなかで,更新作業,育林作業,伐採作業等の林業技術を計画的に組み入れて森林を取り扱う技術体系である。ただし,森林施業を適切に実施する前段階として,森林を組織化し,目標とする森林の状態に誘導する必要がある。すなわち,「森林組織化」,「森林誘導」,「森林施業」の段階を踏む必要がある。本講義では,「森林組織化」と「森林誘導」を中心にその技術体系を紹介し,森林施業計画立案に際して森林を空間的・時間的に組織化することの重要性を理解することを目標とする。 |
■概要と計画 |
まず,「森林計画」の必要性と我が国の森林計画制度を概観する。次に,「森林組織計画」の必要性と計画立案手法について詳述する。さらに,「森林誘導」に不可欠な収穫規整法について学ぶ。最後に,我が国の「森林施業計画制度」について解説する。 「森林組織計画」,「森林誘導」,「森林施業」をそれぞれ「工場配置計画」,「工場建設」,「工場操業」と対比すれば,それぞれの段階を区別することの意義を理解できるであろう。 <森林計画の概要> 第1回 ガイダンス,森林計画の必要性 第2回 日本の森林計画制度 <森林組織計画> 第3回 森林組織計画とは 第4回 森林調査 第5回 基本組織計画 第6回 細部組織計画 第7回 育林プロセス(育林技術体系) 第8回 指導原則と時空間的概念 第9回 保続生産システム(森林作業法) 第10回 付帯設備配置と小班設定 第11回 現地表示 <森林誘導技術としての収穫規整> 第12回 区画輪伐法,材積配分法,材積平分法 第13回 齢級法,法正蓄積法,生長量法 <森林施業計画> 第14回 森林施業計画制度 第15回 期末試験 |
■教室外の学習 |
本講義では取り扱う事項が多岐にわたるため,授業時間内に各種計算方法について演習時間を確保することができない。演習内容の一部については宿題として課すので,自力で取り組むこと。また,さらなる演習については同時期(3年前期)に開講される「森林調査・計画実習」で補うので,合わせて受講されたい。 |
■教科書、参考書 |
教科書を指定しないが,以下の書籍が参考となる。 参考書:今田盛生「森林組織計画」(九大出版会),田中和博「森林計画学入門」(森林計画学会出版局),井上由扶「森林経理学」(地球社),木平勇吉編「森林計画学」(朝倉書店) |
■授業の形式 |
パワーポイントおよび板書による講義。パワーポイントのスライドと同じ資料を毎回配布する。 |
■成績評価の方式 |
宿題30点,期末試験70点で評価し,60点以上を合格(優:80点以上,良70〜79点,可60〜69点)とする。60点に満たなかった人で希望する人には再試を実施する(再試験100点満点中60点以上とれば合格とする。ただし,再試合格の人の成績はすべて可となる)。出席が15回中10回未満の人は期末試験を受験できない。 |
■履修に当たっての留意点 |
・「森林計測学」,「森林調査・計画実習」を履修することが望ましい。 ・このシラバスは2006年春に作成されたものなので,開講時に内容を大幅に修正する場合もある。第1回目のガイダンスで正確なシラバスを配布して説明するので,ガイダンスも参考にされたい。 ・オフィスアワー:金曜16時30分〜18時(農2号館415室) |