森林化学

担当教官(所属、所在)
小藤田久義 (農林環境科学科 森林科学講座、2号館2階207号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座
   森林管理技術学コース2年次
 森林科学講座
   総合森林学コース2年次
講座科目
必修
後期2単位

授業の目標
 最大の森の恵みである樹木を有効に利用していくためには、その構成成分に関する化学的な知識が必要となる。本講義では樹木の構成成分および木材利用に関する化学的な基礎知識を身につけるとともに、林産物の主要な化学的利用形態である紙・パルプの製造技術を知る。

概要と計画
 はじめに、樹木の組織とそれを構成する化学成分について化学構造と存在形態を中心に学ぶ。次いで、特用林産物である食用キノコの生産について述べる。紙パルプの製造技術に関しては、パルプの製造・漂白、廃液の回収利用、古紙の再生および各種原料パルプからの紙製品製造法について概括的に述べる。

第 1〜 2回  樹木の組織と構成成分
第 3〜 4回 樹木成分の基礎化学:炭水化物と芳香族化合物
第 5回    樹木の化学成分:セルロース
第 6回    樹木の化学成分:ヘミセルロース
第 7回    樹木の化学成分:リグニン
第 8〜 9回  樹木の化学成分:抽出成分
第10回    キノコの生態と栽培技術
第11回    紙・パルプの歴史 / 種類と用途
第12回    パルプの製造:機械パルプ
第13回  パルプの製造:化学パルプ
第14回    古紙の利用 / 紙料の調製と抄紙
第15回    期末試験


教室外の学習
 本講義は森林資源の化学的利用に関する講義の基礎となるため、教科書や講義ノートを用いて適宜復習しておくことが望ましい。自習の過程で生じた疑問は教官室で受け付けるので、各自積極的に取り組むことを希望する。

教科書、参考書
教科書 木材化学講座 4 「化学」 (城代進・鮫島一彦編、海青社)
参考書 木材化学 (原口隆英他、共著、文永堂出版)
    パルプおよび紙 (大江礼三郎他、共著、文永堂出版)

授業の形式
板書による講義主体で、必要に応じて資料を配布する。

成績評価の方式
受講状況 (20点)およびペーパーテスト(80点)で評価し、60点以上を合格とする。成績は「優:80点以上」「良:70〜79点」「可:60〜69点」「不可:60点未満」とする。再試験は行わない。

履修に当たっての留意点
関連科目として樹木の組織と形態・生理のほか、有機化学概論、有機化学、基礎生化学、植物生理学等の講座外科目についても履修することが望ましい。欠席5回以上の者は成績評価の対象としない。オフィスアワーは月曜16時〜18時とするが、これ以外の時間帯でも可能な限り受け付ける。