森林政策学

担当教官(所属、所在)
岡田秀二 (農林環境科学科 地域マネジメント学講座、2号館4階412号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座
   森林管理技術学コース3年次
 森林科学講座
   総合森林学コース3年次
 地域マネジメント学講座3年次
講座科目
必修
前期2単位

授業の目標
 地域をマネージする上で基本的に大事なことは地域の土地管理と土地利用計画を行うことである。我が国の農山村においては、土地面積の圧倒的部分が林野によって占められている。地域全体の環境形成要素としても、あるいは林野固有の利用においても、これら林野は地域全体の産業や生活環境に多大な影響を与える。また利用林野は、材木の生産期間の長期性から、その目標達成までに長い年月を必要とする。地域の現状や課題を把握する上で森林政策史や地域林業の展開に関する整理が不可欠の重要性を有するのはこのためでもある。
 この科目では、森林に関する政策や行政の今日の姿を中心に勉強する。現段階の森林政策や行政施策の特徴は、グローバル段階の森林整備を基軸とするところにある。各種の森林への機能発揮への期待がどのような政策ツールで、国や地方あるいはその他関連する主体がどのような役割分担で政策遂行に当たろうとしているのか、あるいはこうした新しい対応は、かつての森林政策体系とどこが異なるのか。こうした点に注目して学んでいく。

概要と計画
1回目 森林の歴史・日本の森林資源、森林政策学の概念
2-3回目 自然環境問題と環境保護政策、日本における森林政策の推移
4-6回目 諸外国の森林政策、森林資源管理と森林計画制度、保安林制度、治山治水政策
7-8回目 林業振興への政策的体系、林道政策、森林整備政策
9-10回目 木材産業の振興政策体系,森林組合対策
11-12回目 山村対策と国有林に関する政策的特徴、木材貿易と森林認証制度
13-15回目 森林政策の財政、森林レクリエーションと森林教育、エコシステムマネージメント

教室外の学習
森林政策学の対象分野はとても広いので、教室外での予習復習がとても大事になります。
テキストを要約しておくことは勿論ですが、その中に出てくる初めての言葉や、不案内の言葉の事前の解消等
多くのことがあります。
 さらには、森林政策は、他の産業政策や環境政策、地域政策とも密接に関連していますので、正しい理解のためには
それらの関連する政策についても理解を得ておくことが必要となります。

教科書、参考書
 堺 正紘 編著 「森林政策」(J-FIC) を使用致します。受講者全員に購入してもらいます。                    
また船越昭治「日本の林業・林政」(農林統計協会)、半田良一「林政学」(文永堂)等をも参考にします。さらには必要に応じ行政的文書や資料を配付し、また種々の解説的記事を用いて行う。

授業の形式
1〜2週間前にテキストの担当章を受講者に割り当てます。割り当てられた人はその章が扱われる日までに要約を作り、授業時間に 報告をします。関連の必要情報についても報告をしてもらいます。章の担当者は複数の人になります。これらの報告を受けて、報告内容の理解を深めるための質疑応答、議論を致します。
 授業の後にはレスポンスカードを出してもらい、授業中にわからなかった点等があればその中で触れてもらい、報告担当者は次回に必ず追加資料などで補うようにします。講義責任者の岡田は適宜補足説明を行うとともに、提出資料に責任を持ちます。

成績評価の方式
学期末のペーパーテスト(100点)と時折課されるレポートを総合して評価します。60点以上を合格とします。優(80点以上),良(70〜79点),可(60〜69点),不可(60点未満)。59点以下の成績不良者には 再度の試験を科します。再試も60点以上を合格とします。

履修に当たっての留意点
「森林政策学」や「木材産業論」さらには日本経済史、日本農業論などに係わる講義科目を履修しておくことが望ましい。
この講義に関するオフィスアワーは 毎週火曜日の16時20分以降です。ただし、教授会の日を除きます。