暖帯林概論

担当教官(所属、所在)
馬田英隆 (非常勤講師、鹿児島大学農学部)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座
   森林管理技術学コース2年次
 森林科学講座
   総合森林学コース2年次
講座科目
選択
前期2単位

授業の目標
関東以西の太平洋岸から近畿以西の中国,四国,九州に広がる常緑広葉樹を主体とする暖帯林は,東北地方の落葉広葉樹を主体とする温帯林とはその樹種構成など生態学的特徴において著しく異なる。授業では,暖帯林の樹木学・生態学の概論についての講義と実習により,暖帯林の取り扱いに関する基礎を修得することを目標とする。特に,後半は「世界自然遺産」の@屋久島の代表的森林を理解する,A屋久島の森林と人間との関わりの歴史を学ぶ,B屋久島における近年の様々な取り組みを知る,ということが目標である。

概要と計画
授業は,鹿児島大学演習林および屋久島等で,9月に5日間実施される。講義では,暖帯林の樹木学・生態学に加えて暖帯林業論についても概説する。実習は,主に樹木学・生態学を主体に行われる。標準的な日程は以下の通りであるが,気象条件などによって変更されることがある。

第1日目 鹿児島大学農学部集合,授業概要の説明桜島の自然と砂防高隈演習林・高隈演習林の概要(高隈演習林泊)
第2日目 屋久島の森林の概要,暖帯林の特質,暖帯林の自然環境,暖帯林の樹木と環境(高隈演習林泊)
第3日目 屋久島の森林特性,屋久島世界遺産センター屋久島環境文化村センター,屋久スギ自然館等(屋久島泊)
第4日目 屋久島の森林特性,ヤクスギランド〜太忠岳でのヤクスギ天然林の観察太忠岳登山(屋久島泊)
第5日目 屋久島の林業・林産業,屋久島森林管理暑貯木場,ヤクスギ工芸品工場等

教室外の学習
実習終了後,班単位に報告会を実施するので,受講前に暖帯林についての予習を十分行っておくこと。

教科書、参考書
教科書の指定はない。

授業の形式
各種地図,植生図,地域森林資源に関わる表や解説文などの資料を配付する。講義の他,現地フィールドでの森林資源評価に関わる実習を行う。

成績評価の方式
出席状況及び実習で提出されるレポート,発表会によって評価する。出席率2/3以下は単位を与えない。出席・出席態度(20点),レポート(50点),発表(30点)により評価する。60点以上を合格とする。優(80点以上),良(70〜79点),可(60〜69点),不可(60点未満)。再試は行わない。

履修に当たっての留意点
鹿児島大学農学部附属演習林の宿泊施設を利用する関係で,森林科学講座以外の講座の受講者を制限することがある。本授業科目は,本学との教育交流の一環として鹿児島大学で開講するもので,鹿児島大学の学生に対しては,本学で温帯林概論を開講している。担当は非常勤講師(鹿児島大学)であるが,農学部附属寒冷FSC澤口勇雄(農学部5号館3F)が窓口として相談に応じる。オフィスアワー(木曜12:00〜13:00),sawai@iwate-u.ac.jp