動物環境保全学

担当教官(所属、所在)
千秋達道 (非常勤講師) (農業生命科学科 動物科学講座)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 動物科学講座3年次
講座科目
選択
前期2単位

授業の目標
 従来、家畜は、土(土壌)、植物(飼料)、動物(家畜)と言う自然循環及び生態系の中で生産されてきたが、近年、家畜の多頭羽飼育化、濃厚飼料多給、機械化、農地の拡大などにより生産の効率化が一段と追求されてきた。それに伴い、人間及び家畜の生活環境、さらに自然環境、地球環境にも多大な悪影響を及ぼしている。
家畜の環境の劣悪化は、動物福祉の観点から社会問題にも発展しており、畜産経営の成立基盤そのものをゆるがしかねない。また、無秩序な自然の利用は、自然環境を破壊し、野生動植物の種の絶滅をもたらす一方、野生動物による農作物への被害や人間に対する危害を多発させる要因となっている。
 このような状況の中で、地球環境の保全と人間、家畜、野生動物など動物間の共生関係の確立の問題は、21世紀の重要な課題となっている。動物環境保全学は、畜産学の一環として未だ学問体系化されていない新しい分野であるが、上記の緊急な課題に対して具体的に対応する視点の育成を目標にする。

概要と計画
第1〜2回  動物環境保全学とは、野生動物の家畜化の歴史。
第3〜6回  家畜生産の推移と問題点、畜産公害の状況。
第7〜9回  環境負荷を軽減する飼養技術。
第10〜14階 家畜生産管理と動物福祉、野生動物の保護と種の保存、人間・家畜・野生動物間の共生。
第15回   試験

教室外の学習
畜産農家などの生産現場の見学。

教科書、参考書
適宜、参考資料を紹介する。

授業の形式
プリント、スライド、ビデオ、OHPなどを用いて説明する。

成績評価の方式
レポート、出席状況により評価する。

履修に当たっての留意点
講義、学術書だけでなく、日常的な情報(新聞、テレビなど)により情報収集しておく。