物理化学概論

担当教官(所属、所在)
小野伴忠 (農業生命科学科  食品健康科学 、4号館3階302 )

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 食品健康科学講座2年次
講座科目
必修
前期2単位
農業生命科学科
 生物機能科学講座2年次
講座外科目
選択

授業の目標
 自然現象を凝視するとその動きに法則性がある事に気づく。古来多くの科学者・哲学者によりその法則性はまとめられ、体系化され学問となった。その中でも、物理化学は身の回りで起こる種々の変化を自然法則から見つめ、その変化の起こり易さや現象のメカニズムの理解に役立つ。森羅万象の法則性に注目し、これを理解し、変化の方向性を見定めよう。

概要と計画
○授業の概要
 身近な現象は化学現象が集まったもの、それを理解するには自然の法則を理解することが必須である。この授業では、3,4年次の実験や研究で出会う色々な現象や実験手法の基本的な理解を目指している。

○授業計画
 1 タンパク質の変性と熱力学の法則(ゆで卵と温泉卵)
 2 ああ無常(エントロピーと仏陀 )
 3 分子量とは何か (化合物とアボガドロ)
 4 分子量を測定する(溶液中の挙動、SDS、MS)
 5 落ちる、沈殿する、遠心する (重力制御は可能か)
 6 濾過、ゲル濾過、クロマトグラフィー
 7 見るとは何か(光・色・吸収・反射・屈折)
 8 測定とは何か(最後は目で見る)
 9 細菌が地球を征服する日(増殖と死滅)
 10 我々は水に浮遊するタンパク質(イオン、pH、pI)
 11 反応は如何にしにして進むか
 12 酵素と言う宅急便
 13-14 演習等

教室外の学習
 講義中に質問しても分からない点や具体的な例については研究室を訪ねてください。参考書等は図書館にありますので、完全理解を目指してください。
 また、身の回りの色々な事象について、それがどのような方向に変化して行くのか見極めよう。そして、それぞれの事象の方向性の共通点を見つけだそう。君は新たな法則を見つけだすことができるかも。

教科書、参考書
「生物物理化学の基礎」白浜ら著 三共出版
「生物物理化学 I, II」 ドーズ著 共立全書、
「フレンドリー 物理化学」田中,荒井 著 三共出版
「生化学熱力学入門」 I.M.クロッツ著 共立全書 、
他に講義の際に適当な参考書を示す。

授業の形式
 原理の理解に重点を置き、講義する。この講義は3年の学生実験及び卒論研究等の実験手法や現象の理解に役立つので、分からないときは質問すること。

成績評価の方式
期末試験および演習問題の成果を評価する。
出席は毎回とります。成績評価の参考資料とします。 

履修に当たっての留意点
質問、意見は講義中でも受け付けます。理解できるまでとことん論議しましょう。
分析化学・機器分析化学の講義も併せて受講することが望ましい。